11月18日の投開票が決まった県知事選に向け、具体的な動きが出てきた。

 自民党県連の候補者選考委員会は5日、宜野湾市長の佐喜真淳氏(53)の擁立を全会一致で決めた。選考委は13日にも、佐喜真氏に正式に立候補を要請する見通しだ。

 3月に立ち上がった選考委は、国会議員や副知事経験者、経済、医療関係者など15人の中から、「出たい人より、出したい人」を重視し、候補者を模索してきた。

 佐喜真氏は、宜野湾市議、県議、市長としての政治キャリアや行政経験、無党派を含め幅広い層から支持を得られる選挙強さ、政権との関係が良好であることなどが決め手となり、最終的に擁立が決まった。保守系若手政治家として自民県連だけでなく党本部からも評価され、さらに公明、維新も推せる候補者として、選考当初から有力視されていた。

 佐喜真氏も意欲を示しており、自身のパーティーでは「悩みながら政治家は決断する。知事選をみんなの力でわが陣営に取り戻そう」と話し、選考委の面談でも前向きな姿勢を示していたという。

 一方、支持者からは、市長の職責を全うすべきだとの慎重論もあり、後継市長候補の道筋をつけることなど、立候補の決断までには、環境整備が必要との指摘がある。先に出馬を表明したシンバホールディングス会長の安里繁信氏(48)の動向も注目される。

 しかし、本人の意欲や周囲の期待の大きさなどからすると、出馬要請を受け、決断する公算が大きい。自民県連は今後、政府・与党との連携を強め「県政奪還」に向けた動きを加速させることになる。

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 一方の「オール沖縄」勢力は、翁長雄志知事(67)の再選を目指す。県政与党や労働団体などが3月に調整会議を立ち上げ、再選の方針を堅持してきた。現在は、翁長氏への要請時期を検討している。

 翁長氏は膵臓(すいぞう)がんの切除手術を受け、抗がん剤治療を続けている。立候補の意思を問われた県議会でも「しっかり治療しながら一日一日公務を着実にこなし、県民からの負託に応えたい」と、明言していない。

 慰霊の日の追悼式で、翁長氏は「辺野古に新基地を造らせないという私の決意は微塵(みじん)も揺らがない」とぶれない信念を示したが、本当に翁長氏は立候補するのか、不透明さは拭えない。

 現状は野党側の動きがリードする形となった。翁長氏はどうするのか、「知事頼み」と言われる与党は、どう展望を切り開いていくのか、有権者に明示する時期である。

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 辺野古新基地建設を強行する安倍政権にとって、工事を進める上で重要な権限を行使できる知事を、政府・与党側から誕生させることは最重要課題だ。総力を挙げて県政奪還へ挑んでくることになる。

 新基地に反対する「オール沖縄」勢力など翁長氏を支持する側も最大の正念場を迎える。翁長氏が立候補するのかしないのか、撤回の時期もからみ、戦略と態勢づくりが急務となる。知事選まで時間は刻一刻と進んでいる。