震度7の地震に見舞われた熊本県を16日未明、再び激しい揺れが襲った。恐怖で眠れぬ夜が3日も続く住民の心労はいかばかりか。

 心配されるのは頻発する余震と大雨による被害の拡大である。安全確保に細心の注意を払い、どうかこの困難を乗り切ってほしい。

 14日夜にマグニチュード(M)6・5、震度7を観測した熊本地震だが、気象庁は16日未明に発生したM7・3、震度6強の地震を「本震」と説明している。14日の地震は「前震」との見方だ。

 前震、余震という言葉の響きとは裏腹に、非常に激しい揺れが続いている。一連の地震は震度1以上を300回余りも記録、そのうち4以上は60回以上を数えている。

 繰り返す揺れで、地盤が緩み、建物の強度が弱まっているのだろう。当初は古い木造家屋の倒壊が目立ったが、時間がたつにつれて、大規模な土砂崩れ、道路の寸断、トンネルの崩落、アパートの1階部分が押しつぶされるなど、目を覆いたくなるような光景が広がる。

 昨晩までに41人の死亡と千人以上の負傷が確認されるなど被害は甚大だ。

 相次ぐ地震で、空港の閉鎖、新幹線や在来線の運転見合わせ、断水、停電、ガスの供給停止が続くなど、住民生活にも深刻な影響が出ている。

 追い打ちをかけるのは下り坂の天気だ。すでに避難勧告が出された地域もある。

 官民一体となって二次災害の防止に全力を挙げてほしい。

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 14日の地震は九州中央部を北東-南西方向に走る「日奈久(ひなぐ)断層帯」で起き、16日は北側に隣接する「布田川(ふたがわ)断層帯」が動いたとみられる。

 プレート境界で起こる地震と比べ、活断層が起こす地震は震源が浅く被害が大きくなりやすい。日本には約2千もの活断層があるというから、人ごとではない。

 過去の地震を教訓に、政府の地震調査委員会は全国の活断層を調査し、地震の可能性を評価してきた。熊本でも想定がなされていたが、耐震化の遅れが被害を大きくしたと指摘されている。古い家屋や重要構造物の耐震補強対策をどのように進めてきたのか、後日検証が必要だ。

 今回の地震では被害が活断層沿いに集中している。恐怖を覚えたのは、九州電力川内原発が震源地からそう遠くない場所で稼働し、さらに日本のいくつかの原発が活断層問題を抱えていることである。

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 熊本県によると16日現在、避難者は9万人に上っている。今後、避難生活が長びけば、体調管理やメンタルケア、プライバシーの確保などさまざまな目配りが必要となってくる。

 倒壊した建物からの救出活動が続き、余震が収まらない現地では身の安全の確保が第一で、まだ復旧へ進むタイミングではないかもしれないが、震度7の被害を受けた益城町では、21日をめどにボランティアの受け入れを開始するという。

 助け合いの気持ちを被災者支援に結びつけ、一緒にこの困難を乗り越えたい。