熊本県で最大震度7を観測してから大規模な余震が16日も続き、被害は拡大している。建物の崩壊や土砂崩れ、ライフラインが止まり、熊本や大分で暮らす沖縄県出身者の中には「安全な場所に」と避難所や車中で過ごしたり、帰郷した人もいる。取材に応じた人たちは、先が見えない不安を語った。

倒壊した屋根瓦の上を歩いて移動する町民ら=16日午後1時25分ごろ、益城町内

 熊本市と阿蘇山の中間に位置する大津町。震源地に近い同町に住む浦添市出身の比嘉鉄雄さん(63)は「16日未明の揺れは大きく、周辺道路には巨大な岩が転がり、アスファルトもめくれている。被害が広がっている」と状況を説明した。

 阿蘇市で歯科医院を開いている那覇市出身の我那覇生純さん(50)=合志市=は「連絡がつかない患者もいる」と心配した。

 豊見城市出身で理学療法士の平瀬綾乃さん(30)=熊本市東区=は16日未明の大きな揺れに恐怖を感じ、自宅アパートを出て、軽自動車内で夜を過ごした。名護市出身の夫、雅人さん(27)は自衛隊員で災害対応中のため留守。綾乃さんは朝になって、避難所の中学校へ向かったが、避難してきた人で満員の体育館に入れず、軽自動車内で同僚と2人で過ごしている。「電気も水も止まり、避難所に続々と人が集まっている。熊本に住んだばかりで土地勘もなく、移動も不安」

 宜野湾市出身でフォークシンガーの宮里新一さん(60)=同市中央区=の自宅マンションは、2回目の大きな揺れで壁が大きくひび割れた。50世帯の人たちと一緒に近くのスーパーの駐車場に避難し、それぞれが車内で過ごしている。「店が時間限定で開き、ミネラルウオーターをやっと手に入れた。これからどうなるのか」とつぶやいた。

 「安心して寝付けない」と話すのは伊良部島出身の川満洋平さん(23)=同市西区。「周囲の家は外壁が剥がれ、塀が倒れていた。今後の雨で土砂崩れも心配だ」とため息をついた。

 八代市の秀岳館高校野球部には、13人の沖縄県出身者がいる。那覇市出身の上原敦己さん(15)は「ここは電気も水も大丈夫」と説明。万が一に備え、寮の部員はリュックに荷物を詰めて待機している。沖縄で心配している母親の綾乃さん(37)ともSNSで連絡を取っている。敦己さんは取材に対し「部員はみんな無事と伝えてほしい」と話した。

 気象庁は大分県にも厳重な注意を呼び掛けている。

 宜野湾市出身の丸尾幸江さん(54)=日田市=は「私も夫もけがはなく、家屋も無事」と報告。久米島出身で別府市で沖縄料理店を営む新里とよ子さん(58)は「週末なのに通りを歩く人は少ない。店には沖縄出身者も訪れるが、被害の連絡はない」と説明した。