57歳の友人は北谷町に住んでいた子どものころ、寝苦しい夏夜に自宅屋上に登って寝転ぶのが好きだった。背中にひんやりしたトタンの感触。満天の空から時を待たずに降り注ぐ流れ星。その光景は今でも頭に残るという

▼きょうは七夕。沖縄では旧暦の盆前に墓を掃除する日という理解が一般的かもしれないが、星空観察で今は好機だ。織り姫とひこ星が年に一回渡るとされる「天の川(ティンガーラ)」はすぐ身近にある

▼天の川と夏の星座を見るツアーが海中道路(うるま市)で始まった(3日付23面)。海で囲まれ観察を邪魔する光が少ない場所である

▼「天の川がめちゃめちゃ濃い。きれいな星空を子どもと大人に見てほしい」。ツアーに同行する写真家アラカキヒロミツさん(33)は1年半前から被写体を星空にしぼる。県外で暮らした12年間で地元の大自然の素晴らしさを再認識し魅力を発信する側に回った

▼牧志駅前ほしぞら公民館の田端研二館長によると梅雨明け数週間は空気の透明度が増し、今月は五惑星(水・金・木・土・火)が深夜零時前に観測できる好条件が重なる。月末には火星が15年ぶりに地球に最接近する

▼思い返せば星空をずっと眺めたのは中学時代から遠ざかっている。慌ただしい日常の中にあっても立ち止まり、今年こそゆっくりと夜空を見上げてみよう。(溝井洋輔)