熊本県で震度7の地震を観測した14日夜以降、インターネット上で「熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などの悪質な投稿が確認された。1923年の関東大震災発生時に広まり、朝鮮人の虐殺につながったデマをまねたとみられ、批判の声が上がっている。

 地震被害から逃れるため、16日夜に帰郷した熊本県立大学4年の喜久村睦貴さん(25)=沖縄市出身=は、デマ情報を見つけた後、自身のフェイスブックで「惑わされないで」と注意を呼び掛けた。

 喜久村さんは「被災地のためでなく、人を陥れるための情報発信で残念。非常時で信じてしまう可能性もある。冷静に対応してほしい」と強調する。

 沖縄弁護士会所属で在日朝鮮人3世の白充(ペク・チュン)弁護士(31)は「デマは助長する。単なる表現行為にとどまらない点に注意を向けるべきだ」と指摘。デマの背景にある「差別意識」は、辺野古新基地建設問題などで沖縄へ向けられる誤解や偏見にも通ずるとし、「今回の問題は沖縄でも一緒に考えていくべきだ」と語った。

 インターネット上ではこのほか、「ライオンが逃げた」「川内原発で火事」などのデマも広がった。