[連載・我ら“うちなーんちゅ”米ロス発]長島幸和さん(69)

 北米沖縄県人会では1981年に発行された北米沖縄県人史に続く、第2弾の書籍の発行に向け、準備が進められている。その本の編集長を務めるのが長島幸和さん(69)だ。長島さんは日系日刊紙として古い歴史を持つ羅府新報の日本語セクションの編集長を長く務めていたプロフェッショナル。5年ほど前に県人会関係者から、今回の書籍編集を担当してほしいと声が掛かった。

北米沖縄県人会館で行われるミーティングに参加する長島幸和さん

 その時に北米沖縄県人史を初めて読んだという長島さん。「自分たちの歴史を後世に残そうとする北米の沖縄県人の熱意がひしひしと伝わってきた。次の本では1980年以降の歴史をまとめようとしているが、素晴らしい第1弾に続くものを作らなければもったいない。沖縄県人会の多くの人を取材で知っていた関係もあり、これはぜひやらせていただきたい、と引き受けた」

 その後、正式に県人会に入会。前回の本では日本語版を出し、それを完全に翻訳した英語版を出版した。第2弾では言語別に作成するのではなく、日本語と英語のバイリンガルの構成にしようと企画中だ。そのために日本語の文章を担当する長島さん以外に、英語のライターを県人会のニュースレターで公募し、新しいメンバーが集まった。「すでに英語のみの県人会メンバーが多いだけでなく、メンバー以外の人にも本をきっかけに沖縄の文化や県人会に興味を持ってもらうためには、英語の文章が重要になってくる」と語る。

 長島さんは千葉県生まれ。沖縄には一度も行ったことがないが、大学時代に沖縄出身者との印象的な出会いがあったと振り返る。「1972年、沖縄が日本に返還される時代だった。その人は、沖縄は返還されるのではなく、独立を目指すべきだっだと私に訴えた。非常に熱いものを感じた。何も知らなかった学生の私は、ガーンと頭を殴られたような衝撃を受けた」。そのことを契機に、少しずつ沖縄について本を通じて学ぶようになった。

 渡米は1979年。新聞社の加州毎日に入社し、その後、羅府新報に移った。県人会を40年近くにわたり、外から取材してきた長島さんが、今度は県人会メンバーとして、書籍の出版に向け采配を振るうことが期待されている。(福田恵子 ロサンゼルス通信員)