八重山地域は10日午後から激しい暴風雨に見舞われ、石垣市では普段多くの観光客らでにぎわう中心市街地が閑散とした。倒木や折れた枝が道路をふさぎ、満潮時に冠水が発生した地域もあった。市内の避難所には午後11時現在、57世帯102人が身を寄せ、不安な一夜を過ごした。

石垣市の健康福祉センターに避難した市民ら=10日午後1時半すぎ

強い風で根本から倒れた街路樹=10日午後5時半ごろ、石垣市大川(国吉聡志撮影)

石垣市の健康福祉センターに避難した市民ら=10日午後1時半すぎ 強い風で根本から倒れた街路樹=10日午後5時半ごろ、石垣市大川(国吉聡志撮影)

 市浜崎町から避難した小底拓子さん(70)は「最大瞬間風速が70メートルだと聞いているし、1人暮らしで近所に知り合いもほとんどいないから心配で来た。自分の身に何かあってからでは遅いから」と不安げな表情。

 風雨の中を避難所まで歩いてきた市登野城の底原英仁さん(59)は、石垣島で最大瞬間風速71メートルを記録した2015年の台風と比べ「今回は雨と一緒に風もどんどん強くなって前よりひどいかも。屋根が飛ばない限り家は大丈夫だが、停電はきつい。友達は大丈夫かな。きょうは眠れないさ」と話した。

 娘と孫2人と一緒に避難所を訪れた市新栄町の女性(63)は過去の台風被害を振り返り「西日本の大雨災害もあったし、万一を考えて初めて避難した。市の職員や他の方々と助け合えるので安心だが、家を守るために残った夫が心配。早く収まってほしい」と語った。

 与那国町では4世帯6人、竹富町では1世帯2人が避難した。目立った被害報告は自治体に入っていない。

強風で転倒 けが続出

 台風8号の影響で10日午後10時現在、宮古島や沖縄本島で風にあおられて転倒して計5人が軽傷を負った。

 警察や消防によると、同日午後5時半ごろ、宮古島市平良下里で40代の男性が風にあおられ転倒し、腰を打撲するけがをした。八重瀬町伊覇では、50代の女性が転倒して右足を打ったほか、浦添市安波茶でも70代女性が風で転倒し右肘を打撲した。

 那覇市宇栄原で80代の男性が枝を切る作業中、風にあおられて転び、頭を切るけが。南城市大里でも70代の男性が転倒した。

 また、読谷村の都屋漁港の北側の海岸で「サーフボードにつかまっている男性がいる」と119番通報があった。嘉手納署によると、現場での聞き取りなどからサーフィンによる水難事故はないと判断し、捜索を打ち切った。