沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が8月17日に予定する埋立土砂の投入より前に、県が埋め立て承認を撤回する調整に入ったことが12日、分かった。土砂投入の重要局面を前に、翁長雄志知事の最大の権限となる撤回に踏み切り工事を停止させる考えで、8月初旬の撤回表明を軸に検討が進んでいる。複数の関係者が明らかにした。

新基地建設が進むキャンプ・シュワブ沿岸=6月29日、名護市辺野古、米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機で撮影)

埋め立て承認撤回を巡る今後の想定

新基地建設が進むキャンプ・シュワブ沿岸=6月29日、名護市辺野古、米軍キャンプ・シュワブ(小型無人機で撮影) 埋め立て承認撤回を巡る今後の想定

 知事が撤回を表明した後は沖縄防衛局の意見を聞き取る「聴聞」の期間が設けられ、その後に撤回の手続きが取られる。翁長知事が2015年に埋め立て承認を取り消した際には表明か聴聞を経て29日後に正式に取り消され、撤回の場合も表明から数週間の手続き期間が必要となる。

 辺野古に反対する市民や労働組合、政党などでつくる「オール沖縄会議」は土砂投入に抗議する県民大会を8月11日に那覇市内で開催を予定。市民団体からは県民大会までに撤回のアクションを起こすよう求める声が強まっている。

 県はこれまで承認撤回の理由として「環境保全の不備」「設計変更の必要性」「承認の際の留意事項への違反」の3分野での国の対応の不備を指摘してきた。

 11日には県環境部が絶滅の恐れがある動植物のリスト「レッドデータおきなわ」を12年ぶりに改訂し、辺野古の建設予定地に生息する複数の海草藻類を追加。海草藻類を移植しないまま工事を進めることが撤回の理由となる可能性もある。

 一方で、県は撤回前に工事中止命令を検討した経緯もあり、撤回は翁長知事の高度な政治判断で行われるため表明の時期は流動的な側面もある。(政経部・銘苅一哲)