カンヌでパルムドールを受賞した「万引き家族」の話題でにぎわう日本映画界。さて、問題です。昨年のパルムドール受賞作のタイトルとは。

ザ・スクエア 思いやりの聖域

 何をかくそう、本作がそれです。社会の底辺で生きる人間を描く「万引き家族」に対し、本作のテーマは、ブルジョワ階級の人間が、無意識に持っている差別や悪意。

 舞台は現代美術館。次回発表予定の新作は「ザ・スクエア」と名付けられた、ただの四角形の枠。「その枠の中では、全ての人間が平等でなければならない」という、人間の良心を図る挑戦的な試み。しかし、気軽に「良心」「平等」と口にする美術館関係者たちの言葉の端々に差別意識が見え隠れする。

 文化人を自負する人々が、ちょっと上から世間を見下している滑稽な姿が、明日の自分の姿でないようにと祈るばかり。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇桜坂劇場で上映中