パートや有期契約、派遣などで働く県内の非正規労働者が過去最多の25万3800人となったことが、総務省の2017年就業構造基本調査で明らかになった。雇用者全体に占める割合は43・1%に上り、5年前の前回調査に引き続き全国一の高さである。

 非正規は全国的にも増えているが、その平均割合は38・2%。最も低い徳島は32・6%で、沖縄とは10ポイント以上の開きがある。

 働く人のおよそ2人に1人が、賃金が安く身分が不安定な非正規という現実は深刻だ。

 県内景気は58カ月連続で「拡大」し、経済は好調だというのに、雇用の「質」がなかなか改善されないのはなぜなのか。

 指摘されるのは、サービス業など第3次産業に極端に偏る産業構造である。仕事の繁閑が大きく、製造業に比べて低いとされる労働生産性が長期の安定した雇用を阻んでいる。

 資本力の弱い中小零細企業が大部分を占めていることも影響している。

 フルタイムで働いても非正規の平均月給は正社員の7割に届かない。同じ仕事をしているにもかかわらず、身分の違いだけで、これだけ差が生じるのは不合理である。

 本土との格差の代名詞とされる1人当たりの県民所得が全国最下位なのも、沖縄の極めて厳しい子どもの貧困率も、全国一低い大学進学率も、生涯未婚率の高さも、雇用の質と密接に絡み合っている。

 これ以上放置できない問題だ。

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 中でも深刻なのは若者の雇用を巡る状況だ。

 15歳から34歳までの若年者の非正規率は44・4%とさらに悪く、こちらも全国一だった。

 高校や大学を卒業して最初の就職先が非正規というのは珍しくない。しかし社会人の入り口での不安定雇用は働くことへの意欲をそぐばかりか、格差の固定化を招きかねない。

 調査では、1年前と現在の勤め先が異なる転職者率も公表され、県内は6・7%と最も高かった。

 若者の離職率の高さは雇用の「ミスマッチ」ということもあるのだろうが、労働条件の悪さなど働き続けることが困難な現実にしっかり向き合う必要がある。

 沖縄の将来を担う世代の能力を生かすことができないのは、社会にとって大きな損失だ。

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 非正規を雇用の調整弁と考えている企業もあるかもしれない。ただ2人に1人という現実は深刻で、一企業での解決は困難である。一自治体で取り組める話でもない。

 製造業が育成されないなど産業構造の問題は、米軍統治下で「基地依存型輸入経済」を余儀なくされた経済政策を引きずるものだ。

 安倍晋三首相が何かにつけ「私が先頭に立って、沖縄の振興を前に進めていく」と話すのは、沖縄振興を国の責務と自覚しているからだろう。

 政府と県が一体となって構造転換や生産性の向上を促す新しい施策を打ち出す時だ。