JCJ賞を受けた沖縄タイムスの「沖縄へのデマ・ヘイトに対峙(たいじ)する報道」は、2017年6月から今年5月までの記事で構成した。米軍ヘリ落下物事故の被害者である保育園や小学校に対する誹謗(ひぼう)中傷、産経新聞の事実誤認に基づく沖縄2紙批判、作家・百田尚樹氏の差別的発言、東京MXテレビの「ニュース女子」、県内ラジオ番組のヘイト言説などに対峙してきた報道をまとめた。

JCJ賞を受賞した沖縄タイムスの紙面

 普天間飛行場所属の米軍ヘリからの落下物事故では、命の危険にさらされる子どもたちの日常、わが子の安全を訴える保護者の思いなどを取材。事故後、宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園や普天間第二小学校に、「自作自演だろ」などと誹謗中傷する電話やメールが相次ぎ、子どもたちや保護者、学校関係者が二重に苦しめられる実態を取り上げた。

 JCJは授賞理由について「基地を押し付けている罪悪感はみじんもなく、本土という『安全地帯』から浴びせる心理とは何か。民主主義を危うくする不寛容と息苦しいまでの日本社会の病理をえぐり、論理的な反論を試みる。不当な差別をなくすという使命感にあふれた報道である」などと評価した。

 米軍ヘリ落下物事故を取材している中部報道部・勝浦大輔記者(33)は「緑ヶ丘保育園や普天間第二小の保護者や教諭ら関係者は、誹謗中傷に負けず、子どもたちの命を守ろうと今も必死に活動している。子どもたちの当たり前の安心安全が、米軍基地があるが故に守られていない実態を、受賞を通して改めて伝えたい」と話した。

真摯な報道貫く

 与那嶺一枝編集局長の話 JCJの「不当な差別をなくすという使命感にあふれた報道」との評価は、今後も真摯(しんし)な紙面作りに徹せよ、との激励と受け止めたい。誹謗中傷に負けずに発言し行動を続けた緑ヶ丘保育園の保護者ら県民と共に、デマやヘイトを許さない姿勢を持ち続けたい。