熊本、大分両県を中心に頻発する地震で、最も大きな被害を受けた熊本県益城町に住む女性から沖縄県の浦添商業高野球部に手紙が届いた。消印は最初の震度7の地震が起こる前日の13日。3月の沖縄滞在中、部員に親切にしてもらったことに感謝する言葉が並び、「甲子園で活躍する姿を楽しみにしています」としたためられている。手紙を手に、ナインは女性の無事を祈り、できることを模索している。(勝浦大輔)

佐藤まいさんから届いた手紙を手に、エールを送る浦添商の野球部員=浦添商業高校

浦添商業高校野球部員から佐藤まいさんへ送る手作りのお守り

佐藤まいさんから届いた手紙を手に、エールを送る浦添商の野球部員=浦添商業高校 浦添商業高校野球部員から佐藤まいさんへ送る手作りのお守り

 差出人は「佐藤まい」さん。手紙によると3月29日、沖縄県春季高校野球大会を観戦するため、沖縄セルラースタジアム那覇を訪れた。チケット販売所が分からずに迷っていたところ、補助員の浦商部員から案内されたことに感謝し、「ありがとうございました。おかげで楽しく野球観戦できました」とつづっている。

 案内した2年生によると、佐藤さんは10代後半から20代前半の学生に見えたという。

 佐藤さんが手紙を送った翌日、震度7の地震が益城町を襲った。16日未明には本震が起こり、今もなお余震は収まらない。手紙に住所はあるが、連絡先が書かれていない。フェイスブックやインターネットでも安否を確認できず、久高将真主将は「無事でいてほしい。信じるしかない」と願う。

 手紙は18日に同校へ届き20日の練習後、宮良高雅監督が選手たちに伝えた。監督の「何ができるか、自分たちで考えなさい」との言葉に、3年生を中心に夏の県大会に向けたお守り、浦商Tシャツ、タオルなどを送ることを決めた。

 手作りお守りには佐藤さんの名前を刺しゅうする。制作するマネージャーの瀬名波桃さんは「普段は優勝や甲子園への思いを込めるお守りだけど、『心はつながっている』という気持ちを込めたい」と佐藤さんに思いをはせる。

 「野球は見ているだけで楽しいけど、親切にしてくださった学校が戦っているのを見るともっと楽しいと思うんです。だから精いっぱい頑張ってください」

 手紙を読み、久高主将は「これも縁。甲子園でプレーする姿を見てもらい、少しでも元気になってほしい」と力を込める。「夏に向け、野球以外も含めて全力でやっていきたい」と誓った。