全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を巡り、馳浩文部科学相が「学力テストの成績を上げるために過去問題の練習を授業時間にやっていたとするならば本末転倒。点数を競争するための調査ではない」と発言していたことが21日分かった。沖縄県内では多くの学校がテスト前の過去問学習などをしており、波紋を呼びそうだ。

学力テストを受ける児童=沖縄県内

 20日の記者会見で馳文科相は、2、3月ごろからこうした対策をしている学校もあると聞いているとし、「全国各地であるとしたら大問題」と批判した。ただ、「過去問をやることすべてを否定するものではない」とも述べ「あそこに負けるな、ここに負けるなと、本来の在り方に反して行われていることが問題」とした。

 県内では新学期が始まっても通常の授業をせず、既習事項の復習や過去のテストで正答率の低かった問題の対策などをしている学校が少なくない。

 県教育庁義務教育課はこうした取り組みについて、「児童・生徒の学力をある程度そろえてから学年をスタートした方が授業が円滑に進むため、過去問を含めて既習事項の復習を4月は集中的にしている。テストを受けない学年も同じ」と、“テスト対策”との見方に反論する。

 一方、学校現場からは「テストが終わるまでは教科書に入れない」「テスト偏重」といった声も出ている。

 琉球大学教育学部の山口剛史准教授は「過去問をしているかどうかではなく、それが子どもの『分かりたい』という意欲に寄り添っているか、本質的な学び直しにつながっているかが重要。教委や学校の取り組みには疑問がある」と話す。

 同時に「学年全員にテストを受けさせ、ほかの自治体や学校と比較されることもある現在の調査の在り方では、競争が起きるのも当然。国も人ごとのように話す立場ではないはずだが」と指摘した。