熊本地震は21日午後6時までに、震度1以上の地震発生回数が770回に達した。マグニチュード3・5以上の地震は同午前8時現在、過去最多の200回に上る。気象庁は同日の会見で「全体的に活動は下がっていない」と発表。発生から1週間が過ぎても収束の見通しは付かない。

 長期化が予想される被災地では、発生直後に控えていた自治体による災害支援ボランティアの受け入れが、本格的に動き始めた。

 被害が大きかった熊本県益城町の社会福祉協議会は21日、救援物資の仕分けや避難所の支援を担うボランティアの受け付けを始めた。雨の中200人の志願者が訪れ、関心の高さをうかがわせた。

 菊池市では19日に県内からの参加に限って募集。翌20日には南阿蘇村でも募集開始した。熊本市社協は、22日からボランティアを募集すると発表している。

 地震発生から1週間は、災害サイクルで「急性期」と呼ばれ、被災者の救助や安全な場所への避難が最優先される。その後、発生から3週間までの「亜急性期」は避難所での体調管理が中心となる。

 しかし今回は、亜急性期に入ろうとする現在も地震活動が活発で、自治体は安全確保を第一とする急性期対応に追われている。そのため避難所の管理が不十分となり、連日、避難所スペースの大幅な不足や衛生環境の悪化が伝えられている。

 車の中で寝泊まりする「車中泊」の避難者の増加も特徴だ。

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 熊本県などは20日、避難生活での過労やストレスが原因の震災関連死とみられる人が10人いると明らかにした。体調不良を訴え救急搬送された人は280人に上る。医療支援として専門家によるボランティアニーズも高い。

 1995年の阪神大震災は「ボランティア元年」と呼ばれ、多くの個人が被災地を訪れた。以降はNPOなどの団体ボランティアができ、自治体による受け入れ態勢の整備を経て、その後の被災地で活躍している。

 ボランティアは誰でもできる。だが事前の準備が無いまま参加すると、かえって救援活動の妨げとなる。長袖・長ズボン、長靴、飲み物、タオル、帽子、マスク、軍手などで自身の身を守ること。被災地での食事や宿泊先は自分で手配するなど、自己責任・自己完結の姿勢が重要だ。

 活発な地震活動や、21日の荒れた天候など被災地の状況を考えると、二次災害を防ぐため自らの安全を第一に考えた行動が何より求められる。

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 災害で受けた心身の回復には時間と丁寧な関わりがいる。発生から5年の今もボランティアが通う東日本大震災の経験を見れば、熊本地震も息の長い活動が鍵になろう。

 被災者が必要としているのは何か。熊本では現在、大雨の影響で避難所の移動や閉鎖があり混乱が続く。避難所格差といわれる物資の偏りも発生している。きめ細かなニーズにあわせ、行政の強みと弱みを的確に把握し、互いに連携してその力を最大限発揮してほしい。