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辺野古埋め立て承認撤回って何? なぜ今、どんな理由で撤回するの?

2018年7月28日 06:39

 -翁長雄志知事が埋め立て承認を撤回するんだって。どういうこと。

辺野古埋め立て承認の取り消しと撤回

 「沖縄防衛局が名護市辺野古の海を埋め立てて、新しい基地を造ろうとしているよね。埋め立てるには、県が『いいよ』と『承認』しなければならないんだ。2013年12月、前の仲井真弘多知事が承認し、工事が始まった。これに対し、新基地建設に反対する翁長知事は、このまま工事を進めたら大切な海がめちゃくちゃになるといった理由で、承認を引っ込め、『埋め立てたら駄目』という手続きに入ろうとしている」

 -前にも承認取り消しとか、言ってたよね。

 「『いいよ』と言ったけど、後から判断が間違っていたことに気付いたり、新しい問題が分かったりすることってあるよね。だから『いいよ』と言った人は、『やっぱり駄目』と言えると考えられる。取り消しは承認時にすでに問題があったのに見逃していた、撤回は承認の判断に間違いはないけど後から問題が出てきたと理解すればいいかな」

辺野古工事止める手段 後から出てきた問題理由に

 -取り消しのその後は。

 「国が県を訴えて裁判になり、2016年12月、最高裁で『承認に問題がないのに県が取り消したのは違法』と判決が出た。県は裁判に負けたから、取り消した承認を元に戻して、防衛局は工事を再開したんだ。撤回は取り消しに続いて、翁長知事が工事を止めるための大きな手段なんだ」

 -撤回はどんな理由?

 「県は承認した際、埋め立てる方法、つまり『設計図』が出来上がったら県と話し合ってね、と防衛局に条件を付けた。県には簡単な設計図しか見せていなかったから、海底の硬さなどを調べ、詳しい設計図が完成したら、環境への影響をどうやって小さくするかなどを改めて話し合いたいと約束していたんだ」

 -それで。

 「防衛局は設計図の一部しか完成していないのに県に話し合おうと持ちかけた。県は全体像が分からないと環境への影響も分からないよ、と防衛局に何度も指導したのに、防衛局が従わず、工事を始めたと考えているんだ。その間に埋め立てる海の底にとても軟らかい部分があることが分かった。マヨネーズくらいの軟らかさだって。承認時には全く分からなかった新たな事実が明らかになったから、全体の設計図も変わると予想できるよね。そうすると、環境への影響も変わってくるので、このまま工事を続けたら沖縄の大切な海が守れない、県民は困る、というのが県が撤回する理由になりそうだよ」

 -工事は止まるの。

 「撤回の前に防衛局の言い分を聞く『聴聞』という手続きがある。それでもやっぱりおかしいと県が判断すれば、実際に撤回し、工事は止まる。しかし、防衛局も工事を早く再開できるように、いろいろと対策を考えているみたい」

 -裁判になりそう?

 「翁長知事の意思は固く、防衛局も諦めないので、裁判になるのは間違いないだろうね。取り消しと一緒で例がなく、どういった争いになるか予想するのは難しい。そもそも海を埋め立てれば環境への影響が出るのは当然で、防衛局が条件に従わず、それにより従ったときに比べ、どれほど環境への影響が違うのか、大きな影響が出るのかを、県は説明しなければならないといわれているよ」

 -なぜ今なの?

 「防衛局はこれまで海を囲い込む護岸の建設を進めていて、その一部が完成したので、8月17日以降に囲い込んだ部分に埋め立て土砂を入れるよ、と県に通知したんだ。土砂が入ると、工事を止めにくくなるので、反対する人たちは早く撤回してほしいと求めていた。翁長知事も11月の知事選挙までに撤回すると明言してきたので、総合的に考えてこのタイミングになったんじゃないかな」(政経部・福元大輔)

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