◆アウェアネス 知ることは その3

ニューヨークの国連で(左から)友知政樹氏、東新川藤佳氏、親川志奈子氏、筆者、比屋根良直氏、ビトルカネシロ氏=4月

 数年前、沖縄タイムスのある記者からメールでインタビューを受けたことがある。

 ケビン・メア米国務省日本部長(当時)が「沖縄はごまかしの名人」と発言した騒動の頃だった。私はそのころ、ニューヨーク県人会会長5年目で、尊敬する記者に心の底から言いたいことを吐き出した。それまでウチナーの社会風潮や政治絡みの問題は見ても聞いても、言わざるの心構えだった。しかし、思い切って伝えた。それまで私の心のつかえがなくなり、心理療法のように役立った。

 琉球王国は薩摩に侵略され、従属を強制され、琉球処分で約450年の歴史が終わった。米軍統治下を経て日本「復帰」から15年後の1987年に帰省した時、ウチナーの踊りや衣装、言葉、文化は「ヤマトゥかぶれ」していて、悲しかった。 

 日本政府が「復帰」に賛成したのは、米軍基地が豪華な付録として利用できるからだ。それぐらいの打算は外国からよく見える。

 元コザ市長の大山朝常氏が「沖縄独立宣言-ヤマトは帰るべき『祖国』ではなかった」と題した書物を遺した。題を一見しただけで心が詰まった。

 私は常に、シマンチュたちが連帯し、立ち上がらなければならないと思っている。独立するための経済政策や安全政策などは、同胞の専門家の話や統計などを見れば納得がいく。まさに「ヒヤミカチウキリ!」で団結するべきだ。

 現在も続く沖縄の植民地状態が当然のようになり、シマンチュとしての尊厳を感じなくなっている人々、若者たちのある団体を見ると、同じシマンチュとして悲しみを感じる。何よりも一部の人たちが、新基地で民意を踏みにじる政府の姿勢に同調している事実は悲痛としか言えない。

 そんな状況に出合うたびに、いつも思う表現がある。「子どもが6人いたら、あと6人欲しいとは思わないが、6億ドル持っていたら、あと6億ドルほしくなる」。人間の無限の貪欲さを表現したものだ。

 自己決定権などの自立を促すのは、人間の尊厳にもつながるものである。「Give me chocolate Mentality」 (ギブ・ミー・チョコレートの精神状態)は、日米にとって、もってこいで都合がいい。しかも国連でも日本政府は、平和だとか民主主義だとか自称しながら、琉球・沖縄の民意を無視し続けている。

 しかし、私の知っているウチナーンチュの中には、脱植民地化と自己決定権の復活を目指し、琉球の不屈の魂・精神を持っている者たちがいる。特に次世代の彼らを見ると、私のシマンチュとしての魂・根性はますます強くなるのだ。(てい子与那覇トゥーシー)