8月に開催されるリオデジャネイロ五輪は、難民や性的少数者(LGBT)らに参加の道を大きく広げたとして、記憶に刻まれる大会となるかもしれない

▼国際オリンピック委員会(IOC)は、五輪出場資格を満たした難民を支援するため「難民五輪選手団」として特例参加を、身体と心の性が一致しないトランスジェンダーの選手が性別適合手術を受けなくても出場を認める。いずれも初めての適用だ

▼内戦が続く中東やアフリカから欧州へ大量流入する難民。シリアからドイツへ渡った難民の候補選手の1人は「国旗や国歌がなくても問題はない」と話す。IOCのバッハ会長は「あらゆる難民の希望となる」と強調する

▼IOCの今回の方針は「平和な社会を推進」「すべての個人はいかなる種類の差別もなく」とうたった五輪憲章に合致するもので、高く評価できる

▼難民やLGBTらが五輪に出場したからといって、すぐに問題が解決するわけではない。難民受け入れ国の住民の中には治安や就職などへの不満がある。LGBTへの差別や偏見は、五輪後も依然としてあるだろう

▼ただ、世界が注目するオリンピックという舞台の影響は小さくないはずだ。リオ五輪が多くの難民に希望を与え、LGBTの人たちにとって生きやすい社会づくりへのきっかけになることを期待したい。(玉寄興也)