市町村長選挙や市町村議会議員選挙など、地方選挙に向けた動きが県内各地で活発になってきた。

 沖縄の統一地方選は全国より1年早く行われる。今年はその当たり年だ。

 9月9日には伊是名、大宜味両村の村長選のほか、26市町村で一斉に議会議員選が行われる。

 那覇市の市長選は10月21日の投開票に向け、立候補者の顔ぶれが固まった。

 佐喜真淳宜野湾市長の知事選出馬が確定すれば、米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市で、市長選と市議会議員選がいずれも年内に行われることになる。

 2月の市長選で、新基地容認派の市長が誕生した名護市では、市議会議員選が実施される。

 地方選は地域独自の政策課題を巡って争われるもので、争点は極めて多様だ。

 ただ、今回の選挙は、地方選一般にとどまらない「特別な意味」を持っている。

 知事選を天王山とする一連の選挙結果が、新基地建設の行方に大きな影響を与えるのは確実だ。

 保革を超えた政治勢力を結集し、翁長雄志知事を誕生させた政治潮流は、これからどうなっていくのか。沖縄に広く根付いていくのか、それとも選挙に敗れ求心力を失っていくのか…。

 2014年に形成された沖縄の新たな政治潮流は、重大な岐路にさしかかっている。

 争点を正面から取り上げ、堂々と論じ合い、有権者の判断を仰ぐ選挙を期待したい。

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 14年の名護市長選、知事選、衆院選で新基地建設に反対する候補を当選させた重要な要素は二つある。

 一つは、県外移設を公約に掲げて当選した仲井真弘多前知事が有権者への説明責任を果たすことなく突然、埋め立てを承認したこと。

 もう一つは、保革を超えた新たな政治潮流をつくり出すのに成功したこと。怒りの感情に言葉を与え、方向性を示したこと、である。

 新基地建設に対する県民の反対の声は、依然として根強い。

 だが、2月の名護市長選がそうだったように、その声がストレートな形で選挙結果に反映されるとは限らない。

 地方選を取り巻く政治状況は大きく変わった。この4年の間に顕在化したのは、基地問題を巡る世代間の断絶である。それは「戦争と占領の体験をめぐる深刻な世代の断絶」(山本章子沖国大非常勤講師)といえるかもしれない。

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 「オール沖縄の主張は基地問題ばかりで、経済政策がない」という評価は、就職活動に追われる学生や男性の壮年層に多い。それを示したのが2月の名護市長選だった。

 佐喜真宜野湾市長は知事選に強い意欲を示し、出馬に向けた環境整備を進めているが、翁長氏はまだ出馬の意思を表明していない。

 知事側近は、県政与党に対し、2期目出馬への推薦理由をただしたという。

 翁長知事の再選を目指す県政与党は、「なぜ翁長氏なのか」という問いに政策面で答えなければならない。