路上で寝込んだ泥酔者が事故に遭うのを防ごうと、沖縄県警与那原署(与那城武署長)が7月から、通報者へ当時の状況についてアンケートで聞き取る独自の取り組みを始めている。豊見城署や浦添署など県内各署で路上寝対策が強化される中、通報件数は増加傾向で、有効な打開策にはつながっていないのが現状だ。与那原署の大宜見洋副署長は「手をこまねくより、まずは動くことが大事」と説明する。(社会部・山城響)

路上寝の男性を起こす警察官=2017年9月、那覇市内(画像の一部を加工しています)

与那原署が7月から路上寝対策として取り組む警告書とアンケート

路上寝の男性を起こす警察官=2017年9月、那覇市内(画像の一部を加工しています) 与那原署が7月から路上寝対策として取り組む警告書とアンケート

 アンケートは路上寝の詳細や通報する側の当時の心情などを聞き取り、今後の対策に生かす。回収数はまだ少ないが、通報理由は「事故に遭いそうだから」が最も多い。警察が到着するまでの間、見守っていた通報者もいた。

 また、女性の通報者からは「泥酔した人を起こして何をされるか分からず怖い」と恐怖感を示す意見もあった。大宜見副署長は「助けたい思いと同時に怖さもある。通報する側が抱える思いが読み取れる」と指摘する。

 けんかに発展したり、泥酔者を狙った窃盗に間違えられたりするトラブルを避けるため、署ではパトカーが到着するまで起こさず、車のハザードランプを付けて安全を確保するよう協力を依頼している。

 一方、路上寝のうち道交法(道路における禁止行為)の違反者には警告書を渡して自覚を促し、再発防止につなげる。

 路上寝の泥酔者の保護と並行してのアンケートは協力依頼から集計まで手間もかかるが、与那城署長は「アンケートを通して、路上寝が市民生活に与える影響も見えてきた」と手応えを語る。

 県警通信指令課によると、路上寝の通報受理件数は18年上半期(1~6月)3015件で、前年同期と比べ187件増加。捜査関係者は「夏場の観光シーズンはさらに増えるはずだ」と危機感を示す。

 与那原署管内の路上寝通報は、今年に入り7月13日までに186件。店舗のシャッターを枕代わりに寝る29歳男性、アパート駐車場に止めた車の前輪前で寝込んだ53歳男性。泥酔した27歳女性は歩道上で署員に保護され、自宅に送り届けられた。

 県警交通幹部は「泥酔するほどの過度な飲酒をしないことに尽きるが、それ以外の対策をどう確立できるかが鍵だ」と指摘。別の幹部は、路上寝の輪禍が相次ぐことに「被害者と加害者、どちらも救ってあげたい。打開策が急務だ」と強調した。