東日本や西日本を中心に日本列島を猛暑が襲っている。日本上空に二つの高気圧が居座って雲ができにくく、直射日光が照りつけているためである。猛暑の期間が長いことが今年の特徴だ。

 23日には埼玉県熊谷市で41・1度を観測、国内最高気温を更新した。東京都内でも観測史上初めて40度を超えた。気象庁が「命の危険がある暑さ。災害と認識している」と最大級の表現で熱中症予防を呼び掛けた。

 熱中症で搬送される人も最多を記録している。

 総務省消防庁の発表によると、熱中症のため16~22日の1週間に全国で2万2647人(速報値)が搬送された。集計を始めた2008年以降で最多である。死亡者は28府県で65人に上った。昨年の死者数を1週間で上回った。

 西日本豪雨で大きな被害を受けた広島県でも5人の犠牲者が出た。愛知県では校外学習から戻った1年男児(6)が意識不明となり、病院で死亡した。命の危険を伴う猛暑であることを肝に銘じたい。

 熱中症は、気温や湿度の高い場所で作業や運動をして体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調整ができなくなって起きる。発汗機能が衰えているお年寄りや体温調整が未発達の子どもは「熱中症弱者」である。

 列島の猛暑は8月上旬まで続きそうだ。炎天下の運動は控え、室内ではエアコンを使う。水分や塩分をこまめに補給するなど万全を期してほしい。特に西日本豪雨からの復旧を急ぐ被災地では猛暑の中での作業に注意が必要だ。

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 県内で熱中症で搬送された人は44人で、全国で最も少なかった。ただし油断してはならない。

 沖縄気象台は24日も、予想最高気温が33度を超え、熱中症の危険が高いとして沖縄本島と八重山地方に高温注意情報を出している。

 県内の熱中症の発症で特徴的なのは10代が最も多く、働き盛りの20~50代も目立つことだ。発生場所は建設・工事現場がトップで、運動場も少なくない。スポーツ指導者や現場責任者には、暑い時間帯を避けてスケジュールを調整したり、適度な休憩を入れたりするなど熱中症対策を徹底してほしい。

 体育館や自宅など室内でも発症することを忘れてはならない。1人暮らしの高齢者はエアコンを使わない人が多い。周囲の人が見守り、声掛けすることが重要である。

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 県内の学校のエアコン設置状況は県教育庁によると、17年4月現在、公立小中学校が74・3%、県立高校が84・9%。いずれも全国平均を上回っているが、地域によってばらつきがあるのが実情で、早急な対応が求められる。

 防衛省は16年度から制度を改正し、米軍と自衛隊基地の騒音対策として実施していた小中高校や幼稚園などに対するエアコン維持費の助成を一部打ち切っている。騒音で窓を閉じざるを得ない教育環境は正常ではなく、維持費の助成を復活してもらいたい。

 エアコンは教育現場に必須の設備である。国は全学校施設に設置補助を急ぐべきだ。