沖縄弁護士会(天方徹会長)は25日、同会弁護士に対し昨年11~12月、在日コリアンであることなどを理由とした不当な懲戒請求が961件あったとし、「ヘイトスピーチと同種の行為で、断じて容認できない」とする抗議声明を発表した。弁護士の懲戒請求を巡っては昨年からインターネット上で請求をあおる動きがあり、各地の弁護士会に大量の懲戒請求が送られるなど社会問題化している。

 沖縄弁護士会によると、懲戒請求の内容はほぼ同じで、朝鮮学校への補助金停止に反対する日弁連の会長声明に対し、その活動を推進することが「犯罪行為に当たる」というもの。ネット上にひな型がアップされ、賛同者の名前と住所などを書くだけで簡単に請求できるようになっている。

 抗議声明では、懲戒請求には対象弁護士の具体的な懲戒事由の説明がなく、「弁護士の非行行為を問題とするものではない」と指摘。根拠のない請求により弁護士の名誉を侵害する行為は「強い非難の対象となることを請求者は認識すべきである」としている。

 天方会長は「懲戒請求に名を借りた不当な行為で制度の乱用だ。在日コリアンというだけで狙い撃ちしている」と強調。「特定の人への嫌がらせには厳然と対応し、闘っていく」と述べた。この懲戒請求は全て認められなかった。

 同様の懲戒請求は全国の弁護士会で昨年、約13万件を受理。東京弁護士会などの弁護士がサーバー管理会社に懲戒請求を呼び掛けたブログ運営者の発信者情報開示を求めたり、請求者に損害賠償を求めたりする訴訟を起こしている。

 弁護士の懲戒制度 弁護士法に基づき、弁護士の「品位を失うべき非行」が認められた場合、所属弁護士会が処分を科す。請求は誰でもできる。弁護士は自治が認められているため、懲戒権限は行政庁ではなく、弁護士会に委ねられている。2016年7月、日弁連が朝鮮学校に対する補助金停止に反対する会長声明を出したことに対し、昨年6月ごろから全国の弁護士会に不当な懲戒請求が相次いだ。