戦争や内戦の傷跡を抱えるカンボジアについて知り、沖縄や世界の平和を考える機会にしてほしいと、沖縄大学1年の宮城七珠(ななみ)さん(18)=大宜味村出身=が、元兵士で現在カンボジア地雷博物館館長のアキ・ラー氏(45)を招いた平和学習講演会の開催に向けて奮闘中だ。一緒に準備を進めてくれる同世代の学生や、小中高生が無料参加できるよう協賛企業を募っている。(中部報道部・篠原知恵)

カンボジアの子どもたちと宮城七珠さん(右から2人目)=2017年8月、カンボジア

地雷撤去活動を続ける元少年兵士のアキ・ラー氏(右)=アキ・ラー地雷博物館提供

カンボジアの子どもたちと宮城七珠さん(右から2人目)=2017年8月、カンボジア 地雷撤去活動を続ける元少年兵士のアキ・ラー氏(右)=アキ・ラー地雷博物館提供

 アジアの開発途上国に高校生を派遣する県国際協力人材育成事業で、初めて海外に出てカンボジアに11日間滞在した宮城さん。1975年ごろから約15年にわたって戦争で住民が多数虐殺され、今も地雷撤去や子どもたちの教育が十分行き届いていないカンボジアの現状を目の当たりにした。

 「住民が戦争に巻き込まれ、今もその傷跡を抱えているところが、米軍基地問題などがある沖縄と似ていた。毎年6月にある学校の平和学習で『戦争って怖い』という気持ちはあったが、カンボジアに行って初めて、なぜ沖縄で戦争が起きたのか、当時の人はどんな気持ちだったのか考えた」という。看護師を目指していたが、帰国後に日本語教師として働く夢ができた。「カンボジアでは知識人が多く殺された。教育を届けて手洗いなど生活の仕方が広がれば、医療を必要としない人も増えるのでは」と話す。

 アキ氏は生後間もなくから、カンボジアを支配したクメール・ルージュ(ポル・ポト派)に少年兵として育てられ、10歳で戦場に駆り出された。自らもかつて地雷を埋めた償いの思いで地雷撤去活動を続け、地雷被害を受けた子どもらも育てる。来日して全国16会場で講演予定で、宮城さんはカンボジアに学校設立を目指す鳥光宏さん(58)と共に沖縄講演の準備を進める。

 「カンボジアでは『許す、だが決して忘れない』とよく言われる。敵味方なく、糸満市摩文仁の平和の礎に犠牲者を刻銘した沖縄の考え方とつながりを感じる」と宮城さん。「特に同じ世代に、平和って何なのか考えてほしい。私がそうだったように、沖縄だからこそカンボジアから何か感じられることがあるんじゃないかな」と目を細めた。

 講演会は9月23日午後2時から沖縄大学で。協力希望や参加の問い合わせはheiwa.akira.2018@gmail.com