沖縄科学技術大学院大学(OIST)と九州大学、東北大学などの共同研究チームは26日、毒を作り出すハブの遺伝子進化の全貌を世界で初めて解明したと発表した。同日、県庁で記者会見したOISTの佐藤矩行(のりゆき)教授は、ハブ毒は246種類ものタンパク質が複雑に混ざり合った「カクテル」と表現。県内ではここ数年、ハブを含む毒蛇にかまれた被害の報告が年間60件前後あり「よりよい抗毒素や新薬の開発につながる可能性がある」と説明した。

毒液を出すハブ(柴田弘紀・九州大准教授提供)

九州大などとの共同研究で、毒蛇ハブのゲノムを解読した沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授(左)らメンバー

毒液を出すハブ(柴田弘紀・九州大准教授提供)
九州大などとの共同研究で、毒蛇ハブのゲノムを解読した沖縄科学技術大学院大学の佐藤矩行教授(左)らメンバー

 研究チームは鹿児島県・奄美大島産のハブのゲノム(全遺伝情報)を解読し、約2万5千個の遺伝子を発見。このうち毒液の成分として働くタンパク質の遺伝子は60個あり、これらの遺伝子が作る246種類のタンパク質が複雑に絡み合っていることが分かった。

 佐藤教授はヘビの祖先は約1億5千万年前から地球上に生息し、約3千万年前に毒を獲得したことを指摘。毒液タンパク質遺伝子の一部は、通常の遺伝子の変化より速いスピードで進化してきたことが判明したとも強調した。

 日本学術振興会科学研究費の支援を受けた研究で、その成果は国際学術誌「Scientific Reports」に掲載された。