2018年7月28日、皆既月食が観測できます。皆既月食は、太陽-地球-月が一直線に並んで、地球の影に月が全部隠れることで起こる現象です。今回、水平線からの高さ(高度)が低い場所で皆既月食が起こります。沖縄は本州より緯度が低い(赤道に近い)ため、月食の始めから終わりまで観測ができます。
   28日の午前3時半ごろから早朝にかけて観測しやすい条件がそろっています。

下側から欠け始めた月=2015年4月4日午後7時45分、那覇市久茂地から(絞り11、200分の1秒露光、伊藤桃子撮影)

ことし一番小さい満月に!   

  地球から月までの平均距離は、おおよそ38万キロメートル。月の軌道は楕円形なので、月が地球に最も近づく時と遠ざかる時があります。

 一番近いときは35万6千キロメートル、一番遠い時は40万6千キロメートルです。2018年7月27日午後2時44分には、最も遠くなる地点を通り、28日午前5時20分、ことしの月で一番小さい満月になります。

左が2018年最大の満月、右が28日に見られる最小の満月(国立天文台)

 その満月の日に、皆既月食が起こるのです。
 ぜひ、観察してみましょう。
 そして、左下に位置する赤く輝く火星も美しいので、皆既月食とペアの姿で観測してみてください。ちなみに、火星が地球に最接近するのはことしの7月31日で、実に15年ぶりになります。

沖縄で見られるのは5時58分ごろまで

 月食や日食は、地域によって最初から最後まで見られる条件が違います。
 今回の皆既月食では、札幌は部分食が始まる午前3時24分ごろは見ることができますが、月が最も隠れる午前5時21分ごろには見ることができません。

 那覇では、部分食が始まる午前3時24分ごろから月が沈む午前5時58分ごろまで見ることができます。

   次の表の右側にある高度は、水平線からの高さです。握りこぶし一つが10度くらいの目安です。水平線から握りこぶし三つほどの高さで、部分食が始まり、握りこぶし半分ほどの高さで最大の月食が見られます。
 

月食の流れ 時刻 高度
部分月食の始め 午前3時24分 27.6度
皆既月食の始め 午前4時30分 16.3度
食の最大 午前5時21分 6.5度
月の入り時刻 午前5時58分  

 

オススメは西海岸のビーチ!

 今回の皆既月食は、月食が始まる時間が遅く、本州のほとんどで皆既食になる前に沈んでしまいます。水平線ギリギリで月食の最大が起こるため、街中だと低くて見えない可能性があります。
 
 沖縄でオススメの観測場所は、西海岸のビーチです。レジャーシートを用意して砂浜に座って月を追いかけてみましょう。

 水平線が見えるなら、建物の屋上でもいいと思います。

西海岸の海洋博公園エメラルドビーチ(OCVB提供)

 水平線へ落ちる満月と赤い火星をペアで見るのもロマンチックで素敵です。

 満月の右上に向かって目を伸ばすと、ひこ星のわし座アルタイルがあります。近くには、おり姫星のこと座ベガ、はくちょう座デネブの「夏の大三角形」もあります。
 双眼鏡や天体望遠鏡があると観測はより楽しいですが、肉眼で眺めたり、スケッチしたりするのもいい思い出になります。


 ちなみに、皆既月食はピークの時、月が赤銅色に鈍く光ります。弱い赤い光が地球の大気によって屈折し、月の方向に向かうので、月が赤く見えるのです。

 ぜひ夏の思い出に、赤銅色に鈍く光る幻想的な皆既月食を楽しんでみましょう。

 今後、日本で皆既月食が観測できるのは2021年5月26日、2022年11月8日、2025年です。最初から最後まで観測できるのは貴重ですので、いつもより早起きして楽しんで見てくださいね。(ライター・おおしろようこ)