ハブの行動が活発になる暖かい季節がやってきた。これまでに約150匹のハブを捕ってきた沖縄県名護市瀬嵩の与那嶺福盛さん(81)は「山の涼しい所や、川で木の実を食べに来る小鳥を狙っているのでかまれないように気を付けて」と注意を促す。

木の伐採の仕事をしているころに会社から支給されたハブ毒吸引用の「吸圧健康器」を見せる与那嶺福盛さん=名護市三原

 小さいころは三原の小字ミチェーガチで過ごした。集落にハブの通り道があり、「各家庭でイグムという捕獲の棒は必需品だった」と話す。長老の家ではハブの交尾に遭遇。お年寄りが「殺してはいけない」と、毛布をかぶせていた。交尾の最中に殺すと罰が当たるからと、そっとしておくのだという。

 木の伐採の仕事に従事するようになり、最長で3メートル近いハブを捕獲した。「与那の山奥だったかな。山で見ると迫力あるよ」と両手を広げる。

 ハブ汁にしたことも。「ハブは肉があまり付いていないので豚の赤肉と一緒に食べた。温めたら鶏肉のようだが、冷めるとものすごく臭い」と顔をしかめた。

 アカマタとハブのけんかも目撃した。「ちょうど綱を編んだように巻き付き、ギューギューと骨が鳴る音がする」。急所をやられたのか、ハブは動けなかった。「あの戦いはそう見られるものではない」と笑う。

 40歳になり、伐採の仕事は伊平屋に移った。「1日5匹は捕っていた。ハブはドラム缶に入れ、休日は糸満の酒屋に売った。ハブ酒用だった」という。「小遣いのため。私は名人ではないよ」と控えめに語った。(玉城学通信員)