熊本市内のバス会社で働く山重智子さん(33)=沖縄市出身=は、熊本地震発生直後から自宅の駐車場で車中泊を続けている。「一日も早く震災前の生活に戻りたい」と不安を抱える山重さんの励みになっているのは熊本に住む沖縄出身者約30人で作ったグループラインだ。SNSでつながる「県人同士の絆」が震災後、大きな支えとなっている。(中部報道部・比嘉太一)

「グループラインのやりとりが私の支え」と話す山重さん=23日、熊本市内

 16日未明に発生した震度7の地震。山重さんは就寝中だった。床が突然、縦に揺れだした。地響きがしたかと思えば、「ドーン」と爆発したような音。近所の工事現場の鉄骨が次々と倒れていくのが見えた。

 自宅の壁には亀裂が走り、天井の瓦も半分以上が落ちた。屋根にはブルーシートを敷くも、雨の影響で天井には水が染みつき住める状況ではないという。「避難所はどこもいっぱいで、車中泊の中で続く余震。無事に朝が迎えられるか不安でたまらない」

 山重さんの不安を和らげてくれたのが沖縄出身者約30人による無料通信アプリLINE(ライン)のグループトーク。30人は行きつけの沖縄料理店に通う客同士。震災直後、ラインを通して互いの安否を確認し、避難所の場所や自宅の状況などを共有し合った。

 山重さんは「みんなそれぞれ大変な状況。その中でのラインでのやりとりが本当にありがたかった。『大丈夫?』という何げなく普段使っている言葉。そのトークに救われた」と振り返る。

 中学卒業後、父親の転勤をきっかけに熊本の高校に進学。「沖縄を離れて18年。まさか、県人同士の絆がこんなにも励みになるとは思わなかった。沖縄出身でよかった」と話した。