【今帰仁=古宇利島】車の屋根の上にガジュマルなどを載せて走り、話題を呼んだ「ジャングルカー」が、今帰仁村の古宇利島に“根を下ろす”ことになった。持ち主の知念満二さん(60)=南風原町=が愛車のもらい手を探したところ、島で簡易宿泊所の管理人をしている浦崎直幸さん(66)が名乗り出た。浦崎さんは「新しい家族ができた気分。根が地面に着いた頃、地植えを考えたい」と笑った。

知念満二さん(右)からジャングルカーを譲り受けた浦崎直幸さん(中央)、幸代さん夫妻=28日、今帰仁村・古宇利島

 浦崎さんは7月中旬、知念さんが車のもらい手を探していることを新聞で知り、その日のうちに電話した。知念さんが一度、ジャングルカーに乗って島を訪れ、2人は意気投合。譲渡先が決まった。

 引き渡し日の28日午後4時前。通称シチャバル(下原)に知念さんとジャングルカーが姿を現すと、浦崎さんは妻の幸代さん62と2人で出迎えた。

 総走行距離14万キロ、17年愛車と走り続けた知念さん。車上緑化が話題を呼び、全国縦断の旅に出たこともあった。この日の朝、最後の水やりをしたとし「ただの車との別れではない。コケの上で生命ある植物が生えている」と感慨深げだった。

 がっちり握手し、譲渡証明書を受け取った浦崎さんは「全てが縁のようなもの。この丘の上に自生するガジュマルやアコウ、イヌビワも歓迎しているみたいだ」と目を細めた。ジャングルカーはしばらく、モニュメントとして展示するという。(玉城学通信員)