文部科学省が全国の小学6年生と中学3年生を対象に今春実施した学力テストの結果を公表した。

 前回に引き続き、県内の小学校はすべての科目で全国水準を維持した。一方、中学校は各科目とも全国平均を下回ったままだ。

 小学校の国語、算数、中学校の国語、数学で、応用力をみるB問題が苦手という点も改善していない。

 学力テストは既に11回を数え、課題は出尽くした感がある。結果が学校の授業や生活指導、行政の教育政策にどう生かされているのか、丁寧な検証が必要だ。

 沖縄の小学校がそれまでの全国最下位を抜け出したのは4年前。学力上位の秋田県との教員交流など教育現場の危機感を持った取り組みが功を奏したといわれる。全体の底上げが図られ、「やればできる」という自信を子どもたちに与えたことは歓迎すべきである。

 今回のテストで、小学校は基礎的知識を問う国語A問題を除く4科目で全国平均を上回った。特に算数Aは5年連続で2ポイント以上の差をつけた。

 全国平均を下回った中学校も、国語は順調に差を縮めつつある。ただし数学は7ポイント前後と差が開き、課題を残した。

 昨年、今年と小学6年で好成績を残した子どもたちが中学3年となって受けたテストである。差は小さくなっているとはいえ、小学校の結果がストレートに中学校につながらないのは、学力を規定する要因が複雑にからんでいるからだろう。

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 学力テストと同時に実施されたアンケートからは、小学校を中心に「褒めて伸ばす」指導が広がっていることも明らかになった。自己肯定感が高いほど好成績となる傾向があるという。

 「褒めて伸ばす」が点数に直結しやすい小学校と違って、中学校は生活指導などの課題を抱える難しさが指摘される。親の経済力や家庭の学習環境など不利の累積が学力に反映されやすい側面も見逃せない。

 沖縄子どもの貧困実態調査によると、小学5年では困窮世帯の子どもの50%が大学進学を希望したが、中学2年では33%にとどまった。将来の進路を考えるようになった段階で、大学への道が閉ざされているとしたら、勉強にも力が入りにくいのではないか。

 教育条件の整備など課題が大きい中学に対する支援を明確に打ち出すべきだ。重要なのは子どもが主体的に学ぶ意欲を育んでいくことである。

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 日々、子どもと向き合う教員の働き方にも目を向けたい。

 文科省の2016年度教員勤務実態調査で、中学教諭の6割近くが「過労死ライン」を超えて働く実態が浮かび上がった。

 子どもの貧困が深刻化する中、「貧困の防波堤」として学校の役割は増している。見えにくいといわれる貧困に気づき、福祉機関など適切な支援につないでいく役割だ。

 現場の教員を疲弊させないための働き方改革も待ったなしである。