驚きに次ぐ驚きである。それも同じ有名企業に。繰り返される三菱自動車の「不正体質」には、理解しがたい組織の危うさが漂う

▼過去には2000年のリコール隠しがある。その記憶も新しい04年には別のリコール隠し。今度は先週の燃費データ改ざん問題に続き、1991年から25年にわたって不正な試験方法で燃費データを計測したり、走行試験を実施しなかったりしたケースの発覚だ

▼リコール隠しは経営が危ぶまれたのだから、顧客の信頼を失う恐ろしさは身に染みたはずである。消費者も三菱自を信じ直したからこそ、人生で最も高い買い物の一つともいえる車を買い求めた。今回、顧客が裏切られたと怒るのはもっともだ

▼問題の全容はまだ明らかになっていない。三菱自は弁護士による特別調査委員会を設け、報告書をまとめるという

▼改ざんの背景の一つに、競合車種の燃費性能の競争もあるようだ。燃費は購入の重要な判断基準で、税金でも優遇されるが、消費者の実感の伴わない燃費性能に過剰なプレッシャーをかけた構図の解明も必要だ

▼相川哲郎社長が述べたように「会社の存続にかかわる大きな事案」である。取引先企業を含めると影響は多大だ。今度こそ、うみを出し切って再生する。全国各地にいる販売員の姿を想像するとき、そう願わずにはいられない。(与那嶺一枝)