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社説[沖縄空手国際大会]普及拡大へ足場固めよ

2018年8月2日 07:43

 何よりも沖縄空手の国際的な広がりを感じさせる開会式だった。それぞれの流派で結ばれた世界的なネットワークは、国の違いを超え、どこかアットホームな雰囲気も漂わせた。

 「第1回沖縄空手国際大会」(主催・同実行委員会、県、沖縄伝統空手道振興会)が1日、那覇市の県立武道館と豊見城市の沖縄空手会館の2会場で始まった。

 大会には50の国と地域から、競技に約1200人、セミナーにのべ2300人が参加する。

 競技は「首里・泊手系」「那覇手系」「上地流系」「古武道(棒)」「古武道(サイ)」の5部門。

 沖縄空手の神髄は「型」にあると言われているが、流派ごとの「型」を競う世界大会は初めてだ。

 世界の空手愛好家は、空手発祥の地である沖縄に格別の思いを抱いている。熱心な愛好家ほど、そうである。

 「空手に先手なし」「人に打たれず人を打たず、事なきを基とするなり」-空手の達人が残した言葉は、沖縄空手の平和的で防御的な性格をよく表している。

 世界大会は沖縄空手の肝や要所を伝える絶好の機会になるだろう。競技以外の場面でも交流を深めてほしい。海外の熱心な空手愛好家から沖縄側が学ぶことも多いはずだ。 空手の世界化を進めるためには、海外の愛好家の期待に応えられるような世界水準の空手家を沖縄から輩出する必要がある。

 空手発祥の地は発祥地ゆえの重い課題を背負っている。

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 関係者はさまざまな困難を乗り越え、大会の開催にこぎつけた。関係者の感慨はひとしお大きいに違いない。

 ここに至るまでの道のりは決して平たんではなかった。県内の空手界は、それぞれが独自の路線を歩み、足並みがそろわなかった。

 長い分裂と対立の歴史に終止符を打ち、主要4団体を統括する「沖縄伝統空手道振興会」が設立されたのは2008年2月のことである。

 振興会の結成は、主要4団体から「歴史的な1ページ」だと高く評価された。

 17年3月には空手界待望の沖縄空手会館がオープンした。道場、鍛錬室、研修室、資料室などを備えた、発祥の地にふさわしい威容である。

 振興会の結成と空手会館の設置で、空手振興の気運は急速に高まった。

 県議会は「10月25日」を空手の日」と定めている。2年前の空手の日には、集団演武で3973人のギネス世界記録を達成した。

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 こうした取り組みが「第1回沖縄空手国際大会」につながったのである。参加申し込みが最も多かったのはアメリカ、インド、アルゼンチン、ロシアなど。競技には参加しないが、セミナーに参加して沖縄空手を学ぶ人もいる。

 2020年東京オリンピックの追加種目に決まったことで、空手に対する注目度は高まっている。海外の空手愛好家は沖縄空手のどこに魅力を感じ、何を求めて沖縄に来るのか。世界大会を、足元を見つめ直す機会にしたい。

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