琉球大学や名古屋大学大学院の研究グループが、沖縄本島南方の琉球海溝沿いに、海溝型巨大地震を引き起こすプレート間の「固着域」があることを発見した。これまで南西諸島周辺では巨大なプレート間地震は発生しにくいとされており、研究グループの中村衛琉大理学部教授は「将来的には巨大地震や津波が起きる可能性があり、早急に認識を改める必要がある」と指摘した。

沖縄本島南方沖のプレート間固着域

 調査結果は、米科学雑誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズ(オンライン版)に7月3日付で掲載された。

 東日本大震災や南海トラフ地震などの海溝型地震は、長年にわたって固着していたプレートの境目(固着域)が一気に破壊されることが要因とされる。

 琉球海溝では、沖縄本島が乗っているユーラシアプレートに、フィリピン海プレートが沈み込んでいる。研究グループはこのプレート間の固着状況を調べるため、本島から約60キロ南方の水深2300~2900メートルの海域2カ所に機器を設置し、10年間にわたって地殻変動を観測した。

 その結果、一つの地点では1年に6・3センチ、もう一つの地点では2・1センチずつ沖縄本島に向かって動いていたことが判明し、プレートが固着していることが裏付けられた。

 国土地理院のGPS観測網の観測結果と併せて分析すると、固着域は少なくとも長さ約130キロ、幅は最大で約60キロになるという。

 沖縄本島南方の沖合では1791年にマグニチュード8クラスの海溝型地震が起き、11メートルの津波が沖縄本島地方を襲ったとされる。今回発見された固着域はこの地震を起こしたとされる領域と重なっており、中村教授は「同規模の地震が起きることも考えられる。調査範囲を琉球海溝全体に広げ、固着域の広がりやひずみの蓄積状況をさらに詳しく突き止めたい」と話した。