沖縄県が、2012年度に制作したデジタルコンテンツ「沖縄平和学習アーカイブ」を、ことし4月1日から公開を停止していたことが分かった。7月中旬ごろから、インターネット上で「なぜ、見られないのか」という書き込みが増え、復活を求める声が上がっていた。県は8月2日、可能な限り、早期に再公開を進めていくことを決めた。

沖縄平和学習アーカイブでは戦争体験者の証言映像を見て、当時の行動をたどることもできる。(2012年、県提供)

 アーカイブは2012年、沖縄戦を次世代に継承することを目的に作られた。戦争体験者の証言映像や写真などがデジタル地球儀にマッピングされ、英語、中国語、韓国語など6カ国語に対応していた。

 公開停止について、県は、サーバーの維持や管理にかかる費用に加え、サイトの効果について議論した結果だと説明。証言映像などは、費用のかからない県の「動画チャンネル」に移行した。

 同アーカイブの予算は、「修学旅行誘致強化のための平和学習デジタルコンテンツの開発」として2011年度に5408万1355円、12年度に「平和学習デジタルコンテンツ整備事業」として2068万5525円で、いずれも沖縄振興一括交付金が充てられた。13年度から17年度までは毎年、サイトの維持管理費などとして県の予算で150~180万円を計上。総額は少なくとも8226万6880円。

 ページにアクセスした人の数は、12年度1万8285人、13年度1万4649人、14年度1万6674人、15年度1万4679人、16年度8812人、17年度は8067人。

 県の担当者は「低コストでアクセスを上げる手法が見つからず、予算の折り合いがつかなかった。制作した当時、18年度以降はアーカイブを外部機関に委譲するという話だったが、難航した」と話した。本年度の予算は93万円。

 サイトを制作した総合監修者の東京大学大学院の渡邉英徳教授は、アーカイブの公開が停止された後、自身の研究室のサーバーにコンテンツを移植し、公開を続けている。

 「筋の通らない理由による運用停止を取りやめ、継続する方向で進めるという連絡があったことは嬉しく思う。ただ、2012年に公開されてから、県がせっかくのアーカイブの利活用に消極的だったことは褒められるべきことではない。今後、市民に開かれたワークショップなどの場を積極的に設けるよう働きかけていきたい」と本紙の取材にコメントを寄せた。