最近、「働き方改革」という言葉がよく目の前を横切るわぁ。おいしいのかしら? 39歳を目前に、いまだ社会の構造を雰囲気だけで受け止めている私の日々に、突如舞い降りた、衝撃の1本。

「マルクス・エンゲルス」

 まずはマルクス。彼の天才ぶりと、天才特有の不器用さが魅力的だ。ブルジョワ階級が労働者を人間として扱わない1800年代のヨーロッパ。20代にして、その社会構造を人間の性質の根源までさかのぼり、理解し、変革の仕方までわかっているマルクス。

 しかし、天才一人じゃ世の中変わらない。いじけて酒に飲まれて、諦めかけて。そんな彼をなだめて勇気づけ続けた盟友のエンゲルス。世界的名著と言われ、かつて日本でもたくさんの若者の気持ちを動かした「共産党宣言」が生まれるまでの苦悩を、20代の若者が請け負っているという事実も含め、感慨深い1本。

(桜坂劇場・下地久美子)

◇同劇場であすから上映予定