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  • 国連が規定する「先住民族」は、いわゆる「部族」や「原住民」とは違う
  • 権利を奪われた人々の権利回復のための枠組みの意味合いが強い
  • 政府は国会答弁でも琉球王国が独立国だったことを認めていない

 27日の衆院内閣委員会で外務省の木原誠二副大臣が、国連勧告の撤回、修正を働き掛ける考えを示した。勧告は沖縄の人々を「先住民族」と認識し、日本政府に琉球、沖縄の文化保護などを求めた内容だ。日本政府が琉球、沖縄を「先住民族」と認めない背景をさかのぼると、独立国家だった「琉球王国」の存在を認めない、歴史認識の深い溝に行き着く。(政経部・大野享恭)

琉球王国の中枢だった首里城には沖縄を象徴する観光地として多くの人が訪れる

 国連が規定する「先住民族」は、一般的にイメージする、いわゆる「部族」や「原住民」などとは大きく異なる。一方的に土地を奪われ、植民地支配や同化政策を受けた民族的集団を指す。国連が勧告などで「先住民族」という用語を使う場合は、権利を奪われた人々の権利回復ための枠組みという意味合いが強い。

 国連は「先住民族」の定義に国際労働機関(ILO)の定義を引用する。

 それは(1)独立国の一部の人々で社会、文化、経済的に区別された(2)征服、植民地化された住民の子孫で社会、経済、文化、政治を強制された(3)先住民の自己意識を持つ-だ。

 国連は2008年の自由権規約委員会の最終見解で琉球、沖縄の人々を「先住民族として明確に認め(中略)彼らの土地の権利を認めるべきだ」と勧告した。

 さらに01年以降、4回の勧告を出し、14年8月には人種差別撤廃委員会が沖縄の人々の権利保護を求める最終見解を示した。繰り返す勧告は、抑圧される沖縄の人々の人権を保障するとの観点だ。

 だが日本政府は、先住民族は「アイヌの人々だけ」だとし、琉球、沖縄を先住民族だと認めていない。国会答弁などでも琉球王国が独立国だったことを明確に認めていないのが現状だ。