【ワシントン共同】トランプ米大統領が自身に批判的なメディアへの圧力を強めている。11月の中間選挙を前に実績をアピールしたいが、ロシア疑惑など不利な報道が続くことへのいら立ちが背景にある。国連からは過剰なメディア攻撃は記者への暴力を誘発するとの懸念も出ている。

支持者集会でメディアをやり玉に挙げるトランプ米大統領=2日、米ペンシルベニア州(ゲッティ=共同)

 「メディアの大半を占めるフェイク(偽)ニュースは国民の敵だ」。トランプ氏は2日、ツイッターで怒りをぶちまけた。自分に無礼な態度を取ったと見なした記者の排除を側近に命じるなどメディア敵視は強まるばかりだ。

 サンダース大統領報道官は2日の記者会見で、CNNテレビの記者から大統領の姿勢について問われると「経済は好調で、米国が世界で指導力を取り戻しつつある。それにもかかわらず、報道の9割が否定的なことに大統領は不満を持っている」と述べ、偏った報道が原因だと露骨に不快感を示した。

 有力紙ニューヨーク・タイムズの発行人(社主)のサルツバーガー氏は7月20日にトランプ氏とホワイトハウスで会談し、メディア攻撃は「米国にとって有害だ」と非難。海外で記者弾圧の正当化に利用されているとも指摘したが、トランプ氏はツイッターで「錯乱症候群」とこき下ろし、取り合わなかった。

 トランプ氏が各地の選挙応援演説で記者を指さし「フェイクニュース」とののしると、あおられた支持者が記者に汚い言葉を浴びせる場面も目立っている。

 言論と表現の自由に関する国連の特別報告者ケイ氏らは2日の声明で「トランプ氏のメディア攻撃は戦略的で、報道の信頼性を失わせるもくろみがある」と指摘した上で「記者への暴力を誘発するリスクを高めている」と警鐘を鳴らした。