津堅島は勝連半島の先端から南東約4キロメートルに位置し、周囲約8キロメートルの離島だ。島には古くから伝わる棒術があり、島出身の体育教師の指導で中学の体育祭で披露されたこともある

▼開催中の第1回沖縄空手国際大会で、スウェーデンの選手が「津堅の棍」を演武した。広い世界からすれば小さな島沖縄、さらにその離島に由来する武術がはるか海を越え、北欧で学ばれている。なんとも夢のある話ではないか。沖縄空手が世界に広がっている好例といえるだろう

▼会場の一つ、那覇市にある県立武道館で一心に演武する選手たちの国籍はさまざま。観客席にいると、四方八方で英語を含む複数の言語が飛び交い、まるで海外にいる気分

▼特設テントの下でくつろいでいたドイツのセバスチャン・エドマンさん(40)に声を掛けた。今回は古武道(サイ)に出場。空手を学んで28年、沖縄を訪れるのは10回目という

▼「発祥の地で空手の神髄に触れたい。何度来ても足りない」と熱心だ。空手の魅力は「練習を通して得られる成長。多くの人と友情を育み、交流ができること」にあるとも

▼世界約180カ国で愛好者が1億3千万人に上るという空手。技を競うだけでなく「平和の武術」として、精神性までも共有されているのは確か。大会が、沖縄空手の魅力をさらに発信してくれるのは間違いない。(玉城淳)