沖縄県読谷村のコミュニティーFM局「FMよみたん」(78・6メガヘルツ、仲宗根朝治社長)が、県外ファンを増やしている。同村喜納の同局には連日のように観光客が立ち寄り、県外にファンクラブもできた。地域密着のFM局が観光客に人気のワケとは。(中部報道部・篠原知恵)

山形県と中継をつなぎ、番組を盛り上げるFMよみたんの仲宗根朝治社長=7月25日、読谷村喜納のFMよみたん

FMよみたんの比嘉美由紀副局長(左から5人目)を招き、FMよみたんについて熱く語るファンクラブ関東支部の久松由美支部長(同4人目)らメンバー=2017年12月、東京都(提供)

山形県と中継をつなぎ、番組を盛り上げるFMよみたんの仲宗根朝治社長=7月25日、読谷村喜納のFMよみたん FMよみたんの比嘉美由紀副局長(左から5人目)を招き、FMよみたんについて熱く語るファンクラブ関東支部の久松由美支部長(同4人目)らメンバー=2017年12月、東京都(提供)

 「ただのリスナーなのに、いきなり番組出演! 家族のように接してくれ、ハマっちゃった」。ラジオネーム「ゆーみん」ことFMよみたんファンクラブ関東支部の久松由美支部長(48)=茨城県=は笑う。沖縄を初めて訪れた5年前、ドライブ中に夫利光さん(47)が周波数を合わせたのがきっかけ。番組転換時のテーマ局「ナナジュウハッテンロック」に心がひかれた。

 1年後の再訪時、同局の中継車を偶然見かけ、発売前のCD「FMよみたんテーマソングス」を購入。地元に戻って、フェイスブックにメッセージを書くと「今度はスタジオへ遊びに来て」と返信。1年も待てず沖縄に飛んだ。温かく迎えたスタッフの「番組出ちゃって下さい!」の一言で初出演を果たした。

 以来、茨城からインターネットの映像中継で、お気に入りの番組を欠かさず視聴する。「いつもつながっている感じ。思い出にも浸れる」と久松さん。年に数度は沖縄に「里帰り」し、そのたび同局で番組に出る。同様の経験がある東京や千葉などのファンと、昨年11月に支部を立ち上げた。現在20人で活動する。

 「観光客の方がふらっと遊びに来て、旅の思い出に出演するのが当たり前になった。飛び入りで地元のパーソナリティーと掛け合うから、ラジオを聴く側もおもしろい」と仲宗根社長。同局は2013年から毎朝1時間の観光情報番組「よみたんラジオ」を放送し、村民に加えて観光客向け情報の発信にも力を入れる。

 台風時は周辺ホテルの空室状況など観光客向けの情報も伝える。メディアで唯一、県レンタカー協会に加盟し、協会発行のドライブマップ持参でスタジオを訪れた観光客にプレゼントを渡している。カーラジオの周波数を同局に合わせたレンタカー会社もあり、観光体験プログラムの一つに「FMよみたん出演」を加えたホテルもある。

 仲宗根社長は「県外在住でも読谷関連情報を得たい方が増えるなんて、こんなにうれしいことはないです」と語った。