51回目を迎える憲法講演会(主催・県憲法普及協議会など)が3日午後1時から、那覇市民会館で開かれる。講演する明治学院大学の高橋源一郎教授が沖縄タイムスのインタビューに応じ、沖縄と憲法について語った。戦争の歴史や基地と隣り合う県民の“憲法観”に触れ「沖縄の人が日本や世界をどう見ているのか、講演会で議論してみたい」と意気込んだ。(社会部・国吉聡志)

憲法や民主主義のあり方について話す高橋源一郎教授=2日、那覇市内

 高橋さんが「遠い存在だった」と打ち明けた沖縄の地を踏んだのは2年前。各地に建てられた慰霊碑や基地を巡った。碑に刻まれた戦没者の多さや基地の間を通る国道に「日常生活の中に基地がある風景の異常さは、現場で見ないと理解できない」と振り返る。

 昨年はフィリピン・ルソン島で戦死した伯父の足取りをたどった。これまで読み込んだ書物に加え、激戦地をたどることで、本土防衛のために「捨て石」とされたフィリピン、沖縄の戦いを想像した。「伯父という一人の人間の死が、ようやく理解できた」

 その沖縄で憲法をどう捉えるのか-。高橋さんは「改憲、護憲というが、そもそも沖縄に憲法が適用されたのは良かったのか」と指摘する。復帰後も減らない米軍基地と暮らす沖縄の人は、本土とは違う憲法観を持っているはず、とし「日本を形づくる憲法に組み込まれた場合、沖縄の独自性が生きるのかを考えてみてもいいはずだ」と語る。

 安全保障関連法案に反対する国会の集会などであり方が問われる民主主義については、「今の制度が望ましいのか常識を疑い、一人一人が理想を議論すべきだ」と訴える。「(歴史や文化が違う)沖縄と日本の民主主義の捉え方が違うのは当然。議論の中で国や社会の理想が見えてくるはず」と話した。

 講演会の入場料は一般700円、学生500円、高校生以下は無料。