「まずは先輩が率先して話を聞こう」-。3日の憲法講演会で講演した作家の高橋源一郎さんはそう提起し、県内で安保法制や辺野古新基地建設に反対する若者らとのトークに臨んだ。基地と日常生活が密接に関わる狭い島で表に出て行くことへの抵抗感、声を上げることで生まれる周囲との溝-。それらを乗り越えて「民主主義」を体現する若者たちへ、会場からは激励の拍手が湧き起こった。

それぞれの立場からできる活動について話す(左から)高橋源一郎さん、石橋柚里さん、元山仁士郎さん、城間真弓さん=3日午後、那覇市民会館

 シールズ琉球の石橋柚里さん(22)は、安保法制や辺野古新基地に反対する活動に参加し、声を上げる中で、「身近な友達との間に溝や壁ができたと感じることが増えた」。「でも」と言葉をつないだ石橋さんは「一人一人悩みも喜びも感じ方は違う。それを受け止めて一緒に考え、溝や壁を少なくできたら」と前を向く。

 石橋さんと活動する元山仁士郎さん(24)も、「案外周りの学生は冷めている」と感じる。だが「民主主義の国。怖いと言うだけでもいい。いろいろな人が関われるよう広く運動を展開したい」と語気を強めた。

 安保法制に反対するママの会@沖縄の城間真弓さん(37)は、身近に基地で働く人もいて、反対の声を上げることに「沖縄は難しい問題がある」と指摘。一方で、周囲の冷ややかな反応が共感に変わっていった自身の経験も振り返った。

 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前の抗議集会に子連れで通う城間さん。「子どもには人に優しくと教えているのに、政治がそうなっていない。ゲート前に行けなくても、そのことを子どもも交えて話すことが、家庭でできる『政治活動』だ」と訴えると、拍手が湧き起こった。

 高橋さんは3人の話を「反対も賛成も含め、政治的なことを誰もがしゃべれることが理想。ハードルを下げていったときに、僕らの世界は少しずつ変わっていくんじゃないか」と総括。

 その上で「沖縄の運動体で言えば、彼らは新参者だと思うが、今までになかったものを付け加え、素晴らしいものにしてくれると思う」とエールを送った。