5日は「こどもの日」。県内の行楽地はこの日一日、どこも子どもたちの歓声に包まれることだろう。

 遠足シーズンのせいか、豊見城市豊崎のにじ公園はこのところ、休日だけでなく平日も、子どもたちでいっぱいである。子どもたちは走る。とにかくよく走る。追っかける、逃げる、また走る。歓声を上げて走り回る。

 親(大人)は遊びの中で発する子どもたちの歓声を聞いて心穏やかになり、幸福感に満たされる。親は子どもから元気をもらっているのである。

 平安時代末期に編まれた『梁塵(りょうじん)秘抄』のあの有名な一句を思い出す。

 「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 遊ぶ子供の声聞けば 我が身さえこそ動(ゆる)がるれ」

 子どもは自分を見守る親の姿に安心し、遊びに没頭する。

遊びの中でルールを学び、決まりを守るという規範を身につける。順番を決めるときや何をして遊ぶかを決めるときなど、さまざまな決め方を、民主主義という言葉をまったく意識せずに、自然のうちに身につける。

 オランダの歴史家ホイジンガは、人間活動の本質を遊戯に見いだし、人間のことを「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と言った。

 「遊び」はいつの間にか、それと知らずに「学び」に変わる。「学び」が苦痛ではなく楽しみに感じられるようになると、そこに飛躍が生まれる。

 何はともあれ、外に出かけよう。遊びを通して「驚き」と「開放感」を味わおう。

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 総務省の人口推計によると、14歳以下の子どもの数は35年連続で減少し、総人口に占める割合も42年連続低下した。子どもたちを取り巻く生活環境の変化は著しい。

 子どもの遊びと言えば、一昔前はかくれんぼ、缶けり、石けりのような、路地や空き地でできる金のかからない遊びが主流だった。

 空き地に集合住宅が建設され、狭い道路を車が行き交うようになって遊び場を失った子どもたちは、テレビゲームなど金のかかる室内遊戯に夢中になり始めた。今の子どもたちは、外でチョウやトンボを捕ったり、山道を歩き続け虫に刺されたり、浅瀬で海の生き物を観察するなどの自然体験の機会が少ない。

 文部科学省の2013年度体力・運動能力調査によると、親の世代と比べ子の世代は身長、体重は向上しているが、50メートル走、ソフトボール投げ、握力など体力・運動能力は男女とも低下している。

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 遊びは戸外で体を動かすだけではない。海洋生物学者のレイチェル・カーソンは、自然に触れその神秘さや不思議さに目を見張る感性こそが最も大切だと指摘し、そのような感性を「センス・オブ・ワンダー」と呼んだ。

 「美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、

思いやり、憐(あわ)れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります」