沖縄の伝統芸能「組踊」のルーツを知り、稽古場で所作を体験してから字幕付きの舞台を鑑賞する近畿日本ツーリスト沖縄のツアーが好評だ。自社商品として昨年6月に商品化。2016年度も6月から月1回の開催を目指して予約を受け付ける。県外の熱心な沖縄ファンや組踊を見たことがない県内在住者を中心に需要があり、将来的には「地元とのふれあい型」が好まれる修学旅行プログラムに盛り込みたい考えだ。(政経部・平島夏実)

若手演者に組踊の所作を習うツアー参加者=2015年、浦添市の国立劇場おきなわ(近畿日本ツーリスト沖縄提供)

 同ツアーのきっかけは、梅雨や冬場の観光閑散期に沖縄を訪れてもらおうと県が企画した「沖縄感動体験プログラム」。プログラムでは14年度、旅行会社9社が計10ツアーを実験的に開催し、商品化の課題を探った。

 近畿日本ツーリスト沖縄の組踊ルーツツアーは、朝から夕方まで約8時間かけて組踊の魅力に迫る。午前8時半、首里城での儀式「御開門(ウケージョー)」を見学し、組踊で中国からの使者をもてなしていた琉球王朝時代にタイムスリップする。ガイドは琉球史に詳しい賀数仁然(ひとさ)さん。ツアー担当の島袋陽平さんは「ラジオにも出演している賀数先生だからこそ、親しみやすい雰囲気」と話す。

 その後は国立劇場おきなわで昼食を済ませ、普通は入れない劇場の稽古場へ。演者から所作を習ったり小道具に触れたりし、体験を通じて「若手イケメン演者のファン」(島袋さん)になってもらう。字幕付きの舞台を夕方に見終わると解散。夜は自由だ。

 当初、組踊版“ロケ地巡り”も検討したが、組踊は架空の舞台設定も多いため断念。「執心鐘入」の舞台とされる那覇市の末吉寺は、行程に入れたところ山登りツアーになった反省から外したという。

 参加者には「舞台を見ていて『さっき習った所作だ』と分かるのがうれしい」「ガイドが面白い」と好評。同社の福波淳さんは「沖縄文化を再認識してもらうことが沖縄観光のリピーターを増やすコンテンツになるはずだ」と手応えを感じている。