高いカウンターテーブルに足長のいす。陳列棚にはウイスキーやバーボン。では1杯、と言いたいとこだが、ここは米軍公認のAサインバーを再現したブース。沖縄市の戦後文化資料展示館ヒストリートの一角である

▼米軍嘉手納基地第2ゲート近くのゲート通り沿いに移転・新装開館した。沖縄市の戦後史の資料や写真、生活用品など多数を展示。手狭だった以前よりゆったり見学でき、資料が語り掛けてくるようだ

▼1970年に起きたコザ暴動を報じた本紙の見出しに目がとまった。「行動化する沖縄の告発」。米軍人による事件・事故など、人権が軽んじられる不条理への不満を爆発させた行動を、民衆の具体的な意思の象徴ととらえている

▼同じ時を歩んでいる錯覚を覚えた。米軍絡みの事件・事故はなくならず、今なお不条理は横たわる。抗議や反発、県民大会といった形などで「告発」は続いているからだ

▼隣には沖縄戦の終結を告げる降伏調印式のブース。ありきたりだが、平和とは何なのか、そのためにできることはと自問自答せずにはいられなかった

▼基地の門前町として栄えた沖縄市のたくましい姿も映し出す。米軍統治下の影響を色濃く受けた食やファッションなど、個性的な文化の誕生も学べる。きょうは終戦記念日。歴史と向き合う場所に出掛けてみるのもいい。(赤嶺由紀子)