自宅近くにある十字路のガードレールには県議選立候補予定者がにっこりと笑った顔写真付きのぼりが立ち、鉄柵に横断幕が張られている

▼十字路には信号機がない。通りは小学校の通学路で、近くの保育園の散歩道になっている。一斉に手を挙げて、横断歩道を渡る園児の姿をよく見かける。のぼりや横断幕は、通行する車の運転手や幼い子たちの視界を奪っている

▼県議選投開票まで1カ月を切り、各選挙区での動きが激しくなっている。以前までは違法ポスターがべたべた張られていたが、最近はのぼりが目につくようになった

▼県議選の説明会で、県選挙管理委員会の当山尚幸委員長は「(違法なのぼりなどの)撤去命令件数は他県よりも突出して多い。交通の妨げやけがをするケースも出ている」と強い懸念を示した

▼交通の支障だけではなく、通りの景観が悪化するとの批判は強い。ほとんどの立候補予定者が観光振興を重点施策に掲げる。のぼりの乱立は観光立県を推し進めたいという主張と矛盾している。撤去費用は血税で賄われる。これは子どもの貧困対策などに取り組む自治体の厳しい財政からの支出だ

▼夏の参院選で投票できる年齢が18歳に引き下げられる。県議選では適用されないが、選挙に対する若者の関心が高まる時期だ。ルールを守り、範を示すべきだ。(与那原良彦)