沖縄県内で唯一、養蚕業を手掛ける沖縄UKAMI養蚕(今帰仁村、仲宗根豊一代表)は、シルクを使った高級パフを開発している。きめが細かく、肌と同じアミノ酸を含むシルクは肌を傷つけにくく、汚れを吸着しやすいという。研究機関に効能分析を依頼しており、科学的な裏付けを基に化粧製品や介護・医療用品での展開を目指す。(政経部・照屋剛志)

沖縄UKAMI養蚕が開発しているパフの試作品(同社提供)

県産シルクを使ったパフの試作品をPRする沖縄UKAMI養蚕の仲宗根豊一代表(同社提供)

沖縄UKAMI養蚕が開発しているパフの試作品(同社提供) 県産シルクを使ったパフの試作品をPRする沖縄UKAMI養蚕の仲宗根豊一代表(同社提供)

 同社は2013年からインドが原産のカイコ「野蚕」を育て、シルクを生産。スキンケアパウダーなどを製造している。

 野蚕のシルクは、国内で多く生産される家蚕と比べ、隙間が多く紫外線や汚れの吸収性が高いという。

 パフに利用するのは、カイコが繭を木の枝に固定するため足場にする毛羽(けば)と呼ばれる部分。毛羽は生産量の3割を占めるが、繊維が固く、パウダーには不向きで新たな活用方法が課題だった。

 一方、カイコが繭づくりの最初に吐き出す糸のため「ファーストシルク」とも呼ばれ、紫外線や外部の異物を遮る能力が高く、菌の繁殖を抑える効果が強いとされる。

 同社は産業技術総合研究所(つくば市)に野蚕シルクの効能分析を依頼。科学的な根拠を商品開発につなげ、本年度中の販売を目指している。パウダーとのセット販売などを検討している。

 カイコの繭に多く含まれるタンパク質の一種、セリシンとフィブロインは人工血管やコンタクトレンズなどの医療分野での応用が期待されている。同社はワクチンなどを開発する研究機関にも納品しており、販路を広げている。

 野蚕は年間7回世代交代を繰り返す。家蚕の年間2~3回よりも回数が多く、大量にシルクを生産する。野蚕の餌となるキャッサバ(タピオカ)の生育は、国内で沖縄が最北限。同社はキャッサバ栽培から、シルク生産、パウダーとパフの製造まで一貫して手掛ける。

 仲宗根代表は「一貫した生産体制で、沖縄でシルク産業を確立したい」と意気込んだ。