沖縄県内で複数のカラオケ店を経営する運営会社(本社・新潟県)で正社員として働いていた40代男性が代表取締役からパワハラを受けて不当に懲戒解雇されたとして、会社に解雇の無効と慰謝料や休業損害などの支払いを求めていた訴訟で那覇地裁(片山信裁判官)は7日までに、解雇は無効との判決を出した。判決は3月22日付。会社側は判決を不服として控訴した。

 判決は男性側が求めていた、会社の代表取締役によるパワハラの一部を認定。男性側が請求した約1400万円のうち、約923万円の支払いを会社側に命じた。

 判決文によると、男性は2011年10月にアルバイトとして雇用され、同年12月に正社員となった。会社代表は14年の会社の新年会で一気飲みを拒否した男性に対し、後日電話で「俺の会社に何も残していない」「指詰めもんだろう」などと叱責(しっせき)した。

 その後、男性は本島中部の病院でうつ病と診断され、男性の代理人が会社側に休業届を提出した。会社側は「男性はうつ状態ではない」として出勤命令を出したが、男性が欠勤を続けたため、同年8月に男性を懲戒解雇した。

 判決で片山裁判官は新年会やその後の電話での代表の言動などをパワハラと認定。「業務上必要な範囲を超えており、原告の人格を否定、恐怖を与えるもの」と指摘した。

 会社側が出した出勤命令について「出勤を命じるのであれば、医学的知見に基づいた慎重さが求められる」と指摘。「うつ病は詐病」とした会社側の判断を「診察した医師の意見を聴取せず、独自の判断に基づく無効なもの」とした。

 その上で判決は、会社側の懲戒解雇も就業規則が定めた懲戒事由を欠いており、無効と指摘した。