先日、テレビで「断腸の思い」の由来を解説していた。人に捕らわれた船上の小猿を母猿が岸伝いに長い距離を追いかけた後に死んだ。母猿の腹を割くと腸がずたずたに切れていたという中国の故事にちなむ

▼転じて「耐え難い悲しみ」を意味するようになった。母親の子どもを思う愛情は深く大きいということだろう。「母国」「母校」「母なる大地」など帰る場所、包み込むような母の付く熟語は多い

▼きょうは「母の日」。贈りたいプレゼントは、ある調査では根強い人気の定番「カーネーション」を抑え、「お菓子」が初の首位に。趣向を変えたギフトで喜ばせたいという気持ちの表れと分析する

▼東日本大震災で両親、あるいは両親のいずれかを亡くし、親類や里親に預けられた子どもは多い。熊本地震でも多くの人が家族や自宅を失った。余震も続く。県内では働くシングルマザーの半数が非正規雇用で、18歳未満の3人に1人が貧困家庭だ

▼寂しく、不安で、困窮した生活を送る人が今、いる。家族の形はいろいろだ。きょうの過ごし方もそれぞれだろう。前を向き、希望のもてる日であってほしい

▼ネットで募集している「母の日川柳コンテスト」(2015年)から2句。「花よりも/あかるい母が/今日も咲く」「ははがいる(た)/ただそれだけで/あったかい」。(玉寄興也)