沖縄県が本年度中に、災害時の医療チーム配置などで司令塔となる「災害医療コーディネーター」を配置し、災害直後の災害医療本部の設置や初動対応などをまとめた「災害時医療救護マニュアル」を作ることが7日までに分かった。被災直後の医療機関の連携や指揮系統を明確にし、迅速な初動対応につなげていく。県は災害時の基本的な対応を県地域防災計画の医療救護計画で定めており、マニュアルでは具体的な動きを規定する。(社会部・浦崎直己)

今後検討する医療救護体制のイメージ

 県は、ことし3月末までに本年度内のマニュアル策定を決めていたが、熊本地震発生を受けて「早期に策定すべきだ」という声がさらに高まっており、県は今後、マニュアルの内容や策定方法などを詰めていく。

 マニュアル策定やコーディネーター配置は法的義務ではないが、県内では東日本大震災前から必要性を指摘する意見があったという。マニュアルは全国40以上の都道府県が策定。コーディネーターは30以上の都府県が配置しており、県は先進事例を参考にしていく。

 県保健医療政策課の羽賀令二郎主任は「まだどのように作るかも決まっていないが、熊本地震で必要性を再認識できた。早い段階で作っていきたい」と説明。コーディネーターを配置した後、内容を検討していく方針だ。

 熊本地震に派遣した県の災害派遣医療チーム(DMAT)の調整を担った沖縄赤十字病院の佐々木秀章医師は「沖縄は島しょ県でもあり、被災時や支援受け入れ時の課題が多い。マニュアルや通信機能がない今、被災したら指揮系統が混乱する」と話す。

 沖縄は陸路での物資や人材の搬送ができず、医療機関が被災した際に入院患者を他県へ避難転院することも難しい。北部や中部などの局地的な災害でも、人口が密集する南部で長期的な断水や停電になる可能性もあると指摘。「インフラや設備がないと医療は成り立たない。マニュアルづくりを通じて、課題を共有していきたい」と述べた。