「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」は8日までに、沖縄県名護市辺野古の新基地建設用の土砂搬出が見込まれる西日本各地の“いま”をまとめた冊子を完成させた。「どの故郷にも戦争に使う土砂は一粒もない」を合言葉に、県外搬出地の市民団体で連絡協を設立して約1年。署名活動や学習会などを続けてきたが、各団体の自腹に頼る活動には限界もある。冊子配布を通して寄付を募り「息の長い運動」(阿部悦子共同代表)につなげたい考えだ。(社会部・篠原知恵)

辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会がまとめた冊子

辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会がまとめた冊子

 過疎化が進み「崩壊集落」とささやかれる本州最南端の地-。防衛省が、莫大(ばくだい)な土砂搬出地として白羽の矢を立てた背景には何があるのか。

 「限界集落でなく崩壊集落。狙われた地だ」。冊子の著者の一人、「南大隅を愛する会」の大坪満寿子代表は、土砂搬出が見込まれる鹿児島県南大隅町辺塚の公民館長の一言を引き合いに辺塚の歩みを記す。

 過疎化で辺塚小学校が閉校したのが2009年。宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題の影響で地域おこし事業が立ちゆかず、12年には日本で唯一の核最終処分場候補地として報道された。そして、次に持ち上がったのが辺野古への土砂搬出計画だった。

 町内に住所を移した砕石業者が、日本で一番硬いと言われる「花こう岩」搬出に向け動き出し、既に山林所有者40数人の3-4割が、1反当たり30万円で売却に合意しているという。

 不純物の少ない日本ミツバチの蜂蜜のおいしさ、手つかずの原生林。採石のため山を削れば失われるかもしれない。「世界自然遺産の屋久島に負けない」辺塚の豊かな自然を紹介し、大坪代表はつづる。「自然を守り愛し、向きあい生活する住民がいる。一度壊した自然は元に戻らない。私たちの声で搬出を止める」 

 冊子には、防衛省が土砂やケーソンの搬出を計画する全国10カ所の市民団体関係者ら14人が報告を寄せた。各地を訪れ、冊子を編んだ阿部共同代表は「過疎地が見捨てられ、人知れず壊されていく。だが沖縄にも全国の搬出地にも、人々が大切に思う美しい故郷がある。辺野古の闘いに学びつつ、この国のあり方をただしたい」と話した。

 冊子は1冊500円。県内の問い合わせは本部町島ぐるみ会議、電話090(9783)5926。