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  • 「仕次ぎ」は若い泡盛を古酒につぎ足して熟成させる沖縄の伝統技法
  • 科学的裏付けがなく、組合は仕次ぎでの古酒の年数を認めていない
  • 県が昨年度、研究に着手。味や香りの変化を調べ、ルール化を目指す

 沖縄県と県酒造組合は、泡盛の伝統的な熟成技法「仕次ぎ」が泡盛の風味に与える影響を研究している。仕次ぎは琉球王朝時代から伝わり、古酒の風味が増すことは経験的に知られているが、科学的証明はないという。科学的な裏付けを得た上で、昨年8月に改正、適用された泡盛表示の公正競争規約への仕次ぎルール明文化を目指す。

仕次ぎをした泡盛の状態を確かめる研究員=4月26日、うるま市・県工業技術センター

 研究は県工業技術センターが昨年度から実施。新酒から5年古酒までの五つの泡盛を用意し、新しい方から1割ずつ仕次ぎをして、1年ごとに成分分析や官能調査で味や香りの変化を調べる。今年9月に1回目の調査を実施する。

 泡盛古酒は、熟成年数が経過するほど、香りやうま味の成分が増し、まろやかで豊かな味わいになっていくことがこれまでの研究成果で分かっているが、仕次ぎの研究はないという。

 泡盛には熟成のピークがあるとされ、一定の年数を過ぎると香りやうま味の成分が減っていくため、同センターは「若い酒を加えることで熟成の度合いをさらに高めているのではないか」とみている。仕次ぎは、各家庭や酒造所が長年の経験から、それぞれの異なるやり方で実施しており明確なルールがない。研究では、効率的な仕次ぎの方法も提示したい考え。

 県酒造組合は2012年の泡盛古酒の不当表示問題を受け、公正競争規約で古酒の定義を「全量が貯蔵3年以上の泡盛」と厳格化。異なる貯蔵年数の古酒を混ぜた場合は、割合にかかわらず、最も新しい貯蔵年数を表示するとし、実質、仕次ぎを認めていない。泡盛愛好家や飲食、小売業者らから「仕次ぎを認めないことは、泡盛の伝統文化を否定する」と仕次ぎを認めるよう要望が相次いでいるという。

 同組合は「科学的根拠がないため、昨年実施の競争規約には盛り込めなかった。研究結果をもとに仕次ぎのガイドライン策定などを検討したい」としている。(政経部・照屋剛志)