親からの虐待などで、安心して生活できる場所を失った子どもの緊急避難先として、NPO法人子どもシェルターおきなわ(横江崇理事長)は9日までに、本島内にシェルターを開設した。中学校卒業後から20歳ごろまでの少女が対象。現在、虐待を受けた16歳の少女が入所している。沖縄弁護士会の弁護士でもある横江理事長は「居場所を失った子どもを救える施設がようやく整った」と意義を語った。

本島内で稼働した子どもシェルターの内部(NPO法人子どもシェルターおきなわ提供)

 児童福祉法は18歳未満の子どもを対象にしており、家庭内暴力(DV)などを受けた18歳から20歳未満の子どもを保護する制度や施設は不足している。現在、同シェルターは全国に15カ所あり、沖縄は大阪と同じ4月1日付の開設で14番目。3人程度の受け入れを想定している。

 NPOは県内の弁護士らを中心に昨年7月に設立。児童福祉関係者や小児科医らが理事となり、沖縄の若年出産の多さや母子世帯の貧困率の高さなどから、少女への早期支援が必要として開設の準備を進めてきた。入所者の保護を第一に考え、所在地は非公開。児童相談所などに勤務経験がある常勤2人、非常勤3人のほか、ボランティアも運営や支援にあたる。児童福祉法の「児童自立生活援助事業」の一環として国や県が交付する年間約1600万円を人件費や日用品の購入などに充てるほか、寝具などは賛同する民間企業の提供を受けた。入所は約2カ月を予定し、担当弁護士らが入所者の精神面のケアや親権者側との調整をしながら、自立の見通しや次の受け入れ施設を模索する。

 当面の課題は運営費や職員の確保と退所後の受け皿づくり。横江理事長は「円滑な運営には、まだ資金が足りない。引き続きNPOの会員や寄付を募りたい。長期的に衣食住を提供できる自立援助ホームや少年を対象にしたシェルター整備も考えたい」と話す。シェルターへの問い合わせは美ら島法律事務所、電話098(853)3871。